2016/04/08

パナマ文書。ヘイブンの語源と本来の意味

最近ニュースで話題になっているタックスヘイブンについて簡単にご説明したいと思います。

tax は税金の意味で、 haven は天国の heaven とスペルが似ているため、税金を逃れる天国のように解釈されがちですが、 haven という意味は、harbor という単語から来ています。これらは兄弟だと思ってください。

一方、天国の意味を表す heaven というのはドイツ語から来ています。ドイツ語で空と天国は同じ単語を使っています。

Himmel この単語がドイツ語では空と天国の両方を表します。

一方、harbor については以前書いたことがあるのですが、

「port / harbor / marina / wharf / quay / dock / berth / pier / jetty 意味の違い」

この単語は単なる港という意味だけでは語れません。ハーバーという単語が動詞になった時、隠すという意味になります。ハーバーは船などを泊める安全な場所。つまり、その兄弟単語である haven は、法人税がほとんどかからない安全な場所になります。

つまり、タックスヘイブン=租税回避地という意味に変わるのです。


(この写真は天国と検索してでてきました。青や白は天国の色をイメージするのにピッタリですね)

というのも、現在の租税回避地のほとんどがイギリス領の小さい島や、小国だからです。特にイギリスは現在もイギリス領としてたくさんの島を世界中に持っています。国家君主をエリザベスとし、その世界中にある島をうまく使って、富裕層だけが得をしているのだと思います。

で、タックスヘイブンって何?

普通、何の知識もなしにタックスヘイブンを聞くと、どうしてもヘイブンという単語が天国のヘブンと連想してしまい、天国のような場所をイメージする人が多いのではないでしょうか?

上にも書いたように現在のヘイブンというのは安全な避難地のような意味です。

通常、一般の人たちが買い物をするときに消費税を支払うように、会社を設立した場合、法人税というものを支払わなければなりません。ですが、会社が儲けても、その4分の1くらいが法人税として差し引かれてしまうので、もともと一つあった会社を何個かの子会社に分散して、少しでも節税しようとします。そしてその子会社を日本以外の国、特にイギリス連邦の島国や南米の小国に会社を登記して、その国に適用されている税金を支払うという事をします。

この節税というのは、富を得るものからしたら、こういうシステムをうまく利用しないあなたたちが無知なのでしょう?と思っていたりもするはず。だけれども一般の人たちからしたら、なぜあなたたちがタックスヘイブンに会社を登記して国に税金を納めず、私たち一般人が消費税を増税されないといけないの?と思うかもしれません。

今までタックスヘイブンの書物はたくさんでてきましたが、テレビの報道で何度もやっているということはなかったように思います。

競争社会ということで切磋琢磨して、会社同士が競い合っていけばいいとも思いますが、タックスヘイブンを利用している人たちは、もともと富を持っていた人たちが多数だと思います。つまり、先祖代々ではないかもしれませんが、ある一部の人たちが富を独占しているということ。これは事実であり、またこの税金がきちんと日本に支払われていたら?

国家予算の財源が増え、新しい政策を始めやすくなるかもしれません。

ちなみに、アメリカにはデラウェア州という法人税がとても安い州があり、そこにペーパーカンパニーがたくさんあります。ペーパーカンパニーとは文字通り、登記しただけの会社。つまり、1つの建物に何万社という会社が登記しています。もちろん、そのビルに各会社の関係者はいません。そうすることで、法人税を安く抑えることが出来るのです…。

タックスヘイブンは合法です。つまり、悪いことではありません。ですが、今回のパナマ文書が公開されている動きは、今後のタックスヘイブンの在り方を変えてしまうかもしれません。変わらないとしても、タックスヘイブンに反対している人がたくさん増えてくるのではないでしょうか?特に昔と違いインターネットの普及が進んでいたりしているので…。

私はタックスヘイブンについて反対はしていません。なぜなら合法だから。
ですが、一方で悪徳なやり方をしている会社もあると思います。なので、それは場合によるというのが私の意見です。富を得たものには、その人たちの理論も少なからずあるはず。という富を得た側の意見もありますので…。いずれにしても、その税金が国にきちんと収められていれば、財源が増えるわけですから、貧困の撲滅などにも貢献することは間違いないと思います。



これからは、 heaven = 天国
haven 安全な場所 と覚えておけばいいかもしれません。

この記事が、タックスヘイブンの意味について簡単に理解できるきっかけになっていただけたら幸いです。

ちなみに、この記事に関連するものとして、世界の支配階級について書いた記事もあります。
「支配階級、エスタブリッシュメントとは?」

こんな記事もオススメです。
「多言語話者、マルチリンガルになるための勉強法とは?」

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1 件のコメント:

izumi ito さんのコメント...

合法だからいいのでしょうか?世の中には悪法と呼ばれるものもあると思いますが。