ヨーロッパの借金大国「イタリア」が中国に近づいた心理と、コロナウィルス拡大の原因



イタリアと中国の関係は、2019年中ごろから書こうと思っていたが、今回、武漢ウィルス(新型コロナウィルス)によってイタリアにおける感染数が中国に次ぐ2位(2020年3月24日現在)になるなど、世界中でイタリアと中国の関係が指摘、注目されるようになっていることから、私自身も再度、この二つの国の関係を纏めるのと同時に、イタリアがなぜ中国と組むことになったのか、そしてなぜヨーロッパでイタリアでコロナウィルスの陽性者が広がり始めたのか、気になる点がいくつもあると思う。

そういう部分をこの記事では紐解いていきたいと思う。


①イタリアと中国が近づいた心理



※写真は新型コロナウィルスによる医療援助をする中国人。詳細は記事の下のほうに書いていある

まず地政学的に見た時、イタリアという国はフランスやドイツと違って、アルプス山脈によって物凄く綺麗に隔離されている。これは北海道で例えれば日高山脈よりも東が十勝平野となっていて封鎖されたような地形になっている事と似ているかもしれない。

スペインもピレネー山脈でヨーロッパの中心部と隔離されているけど、スペインの場合、ポルトガルという違う国もある上、スイスの人口にも匹敵するカタルーニャ州が独立を求めている点でやはりイタリアは特別自分たちはヨーロッパの中でも日本列島のように違う。と思っている感がある。これはイギリスがEUを見たときに感じる感覚と似ているかもしれない。

そんな中、イタリアの経済不振はずっと続いている。しかも、EUの中でも存在感が圧倒的に強いフランスやドイツばかりに多くの人の視線が行く中、イタリアは危機感を感じたのではないだろうか。

つまりEUとしてイタリアにはメリットがあるのだろうか。EUにいながらも、他の超大国と結びつくことで、うまく間に入って経済を反映させていきたい。という思惑が見え隠れするようにも思える。

つまりイタリアにとって中国と組むことは、フランス・ドイツのEUから少しだけ一歩下がり、中国と組みつつも、うまくバランスをとり、EUの間でも発言権を高めようとしているようにも思える。



そして中国からしてなぜヨーロッパの中でもイタリアだったのか?ということは、中国がヨーロッパと貿易する際、そのほとんどが船での移動だからである。

なので、2016年ギリシャで中国がピレウス港の株式を半分以上獲得した後、イタリアに目をつけたのではないだろうか。

また中国と北アフリカの結びつきは非常に強く、ドイツ、フランス、イギリスなどの民主主義国家よりも、地中海を取り巻くビジネスに中国が大きく関与したいと思ったのかもしれない。

つまりポイントはヨーロッパにおけるビジネスでりながらも、地中海周辺を強く固めているのかもしれない。



②欧州最大の中国人人口を抱える国は?

一部のメディアでは、中国とイタリアの結びつきが強く、欧州の中でも中国人人口がTOPというぼんやりとした伝え方をしていたので、私はイタリアは欧州で一番中国人が多い国かと思っていた。

けれども英語圏で検索してみる限り、イタリアに住む中国人は30万人程度で、フランス(60万人程度)の半分である。

https://en.wikipedia.org/wiki/Overseas_Chinese

つまり実際はフランスのほうが中国人人口が多い。ということは事実である。更に数字的に言えば、イタリア(30万人)というのは、アメリカ(502万人)や、オーストラリア(121万人)よりもはるかに少ない。

このようにYouTubeでニュースを聞いていると細かく報道していない部分はいくつもある。それはいいとして、なぜイタリアでコロナウィルスが流行り出したのか?ということは以下のことが指摘されている。



③中国とイタリアの共通点

実はこの2つの国は長い歴史を持つことでも共通点があり、中国で発明されたものが、イタリアで改良されてよくなっているという相性の良さもある。

その一つがマルコポーロが13世紀に中国で製麺の技術を学んでそれがのちにイタリアのスパゲッティに繋がっているという。

このことからも分かるように、中国で発生したコロナウィルスにより、イタリアでそれが倍以上に発生した。

中国の20分の1以上しかない人口のイタリアで、中国以上に死者がでている現状をみれば分かることかもしれない。




④フィレンツェ郊外にあるプラトと中国人の関係


Prato Italy と検索すると、まず「Chinese」が一番候補に挙がった。そして、「Chinese」を入力すると、以下の順で候補が上がってきた。以下日本語にするとこんな感じ。

Workers労働者
Population人口
Communityコミュニティ
Wholesales卸売り
Immigrants移民
made in Italyイタリア製
Mafiaマフィア

勘の良い人ならこれだけで分かると思うけれども、つまりプラートには中国人が働く工場がいくつもあり、イタリア製品を中国人しかいないような工場で安い給料で働きながら、実質、中国人が作ったものをイタリア製として海外に展開しているわけである。

しかも、この労働者たちは何らかの形で中国大陸からやってきて、過酷な労働(広東省のアップル製品の下請け工場のような1日12時間をイメージしてもいいかもしれない)を強いられ、それがマフィアと関係があるのかもしれない。と囁かれている点。

また中国大陸からやってきた若い女の子に売春をさせているという噂もあり、こうしたプラートにおける中国人コミュニティは、それこそ日本にはその情報すら全然伝わってこないものの、イタリアでは誰もが知っているような話だという。

日本にも日系ブラジル人が集まる地区がいくつかあるけど日本人すら知らない、置き去りにされているように、イタリアの若者にはこの事実を知らない人もいるかもしれないね…。

ここにやってくる中国人労働者の多くが、浙江省温州市からだと言われており、温州人はそれこそ目立たない存在だが、中国では「中国におけるユダヤ人」と言われており、そして中国人ではなく温州人に限って言うと、ヨーロッパの中でも、フランス(8万人)と肩を並べる7万人もの人々がイタリアに住んでいるという。

またかつて中国とイタリアが手を組む前の2010年6月28日、イタリア財務警察は中国系の企業73社を一斉摘発している。

・マネーロンダリング
・脱税
・不法入国の斡旋
・売春
・知的財産権の侵害

このとき逮捕された中国人17人が、まさに上の検索結果にも出てくるような、チャイナ・マフィアなのである。

Italy's China City: Sweatshops to Wedding Shops


⑤一帯一路の参加(2019年)

イタリアは2019年、G7の中で唯一、一帯一路に参加することを表明。日本、オーストラリア、カナダ、アメリカ、イギリス、フランス、スペイン、ドイツ、インドなどは2020年時点で、一帯一路に参加していないが、東ヨーロッパの多くの大部分、ギリシャ、イタリアなどは加盟しているので、ヨーロッパでは別に珍しいわけではないが、ヨーロッパの大国は参加していないという点で、非常に驚かれた。

これにより中国とイタリアの関係はますます強くなると言われている。


⑥イタリアの最大の狙い

また中国と組むことで存在感が示せるというのはもちろん経済的な恩恵があるからだ。イタリアが中国と組むことによって、イタリアの高級ブランドなどが中国でどんどん売れる仕組みを作ることができる。

中国政府がフランスンブランドよりもイタリアブランドを勧めれば、イタリアのブランド業界は潤う。

現在、中国に突出して輸出している国がドイツ。というのも自動車など高価で売れるものがドイツにはあるので、その分、他国よりも輸出額が突出している。

3:50に図がある。→https://www.youtube.com/watch?v=AG4BRJiN-k4

コンテ首相は、ただ中国のイタリアへ投資を増やしたり、イタリアの製品を中国という13億巨大市場に輸出できるのなら、イタリアでも雇用が生まれる。ただそれだけだと語っていた。

今まではイタリアが安価な中国製品を輸入していた。次はイタリアが中国市場に高級な製品を大量輸出する。ということなのであろう。


⑦中国側の狙い

で、2016年に、借金国ギリシアが、国内最大のプレウス港の株式の51%を中国国有企業のコスコに売却している。ここから中国のヨーロッパ制覇が始まっているわけだけど、それを皮切りについにイタリアまで手を伸ばしてしまった感じ。

中国はイタリアに市場を提供する代わりに、中国はEUの拠点として海上ルートで一番、便利なイタリアを確保できるというわけ。

イタリアは債務対GDP比が高い国として有名。債務残高は2兆5000億ドル(2017年時点)と言われており、GDPが、1兆900億ドルに対してなのでこの凄さが分かる。

当然、イタリアに投資する人も減っている中で、救世主であるかのような中国がやってきたわけで、経済的な面から見れば、イタリア人は中国が救いに見える一方、中国人に対する差別などもあるのが現状のよう。

ちなみに、中国は以下のように多くの国に港を借りているが、イタリアは目に見えない形で、今後借金漬けにされ、合法な形で、中国の支配下に入るかもしれない。と言うと大げさかもしれないけれども、スリランカのようになるかもしれない…。

「中国企業、中国軍が海外に租借している土地や国(島) TOP10」

ちなみに、一帯一路はマルコポーロが13世紀に旅して辿った道と似ているという指摘もある。

https://www.youtube.com/watch?v=AG4BRJiN-k4


⑧カーネギー国際平和基金による警告

国際的なシンクタンク「カーネギー国際平和基金」によると、イタリアはヨーロッパの中でも最も債務が多い国のうちの一つなので、中国に借金漬けにされ、スリランカのように乗っ取られてしまう可能性があるという事。

そして、イタリア人の心理として、2008年のリーマンショック以来、イタリアの経済的な負担によって、EUや米国などから避けられていると感じているという事。

そのためにはなんとしても、経済を立て直さなければならないという状況に迫られているということ。

アメリカがTPPや、TTIP(米国とEUの間で交渉が進められている貿易投資協定)の話を辞めたのでイタリアにとって一帯一路のような貿易を促進するメンバーになることは魅力的に映るのだそう。

Why Did Italy Embrace the Belt and Road Initiative?




⑨中国に感謝する「イタリア」

新型コロナウィルスは武漢で発生したが、実際にはどこから持ち込まれたのかは不明。中国科学院武漢ウイルス研究所で作られた生物兵器という話もあれば、昨年10月武漢で開かれたスポーツの国際競技大会(軍人によるもの)で米国側の参加者が感染症を発症したなど、はっきりしていない。

けれども普通に考えれば中国人がイタリアに持ち込んだものであるということは間違いない。日本人であればおそらくイタリア人が中国を恨んでいると思っているかもしれないが、実情は違うようだ。

以下は中国の中国紅十字会がイタリアのメディアに対して話している内容。通訳はなんと、中国語→英語→イタリア語という不思議なことになっている。

どうやら中国にもイタリアにも、中国=イタリアの翻訳者がいないということなのかもしれないけど…。

いずれにしてもコメントを見る限り、中国から見習うべき。とイタリアのダメさを強調したコメントで溢れていた。

Coronavirus, team medici cinesi allo Spallanzani: "Ottimo lavoro dei colleghi italiani"

なぜこれほどまでにイタリアが中国に感謝しているのか。それは今回コメントを精査してみて分かったのだけど、つい数日前まで、イタリアでは中国人に対して「コロナウィルス!」と侮辱の嵐だったり、中国人労働者を差別じゃないけど下に見るようなことをしていた。

しかもイタリアは同じEUの仲間から次々に見捨てられ、周辺国から国境を封鎖される。そんな中、中国だけが救援部隊など、大掛かりな援助をしてくれた。

その部分に感動しているコメントが非常に多かった。

多分、大げさかもしれないけど、戦後イタリアにおける最大の苦難において、中国が手を差し伸べたことは、日本とトルコにおける三重県沖やイラン救出劇のように、イタリアで多くの人に語り継がれる可能性がある。

ここは日本にいると伝わってこない部分かもしれない。

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