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ロシアはヨーロッパとアジアどっち?それとも、ユーラシア?【ロシア人の反応】

2015年4月23日

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ロシアはヨーロッパとアジアどっち?それとも、ユーラシア?【ロシア人の反応】

2015年4月23日

この記事では、ロシアがヨーロッパなのか、アジアなのか。ということを解説していきたいと思う。日本人の中にはロシアはヨーロッパと思っている一方、ヨーロッパ人(特に西欧)から見ると、人種的にロシア人は白人ではない!と思っている人までいる。

白人とアジア人のハーフと思う人もいれば、シベリアのモンゴロイドをイメージする人もいるように、ロシア人に対する印象は人それぞれ違うのだ。

「欧米人がロシア人やアルゼンチン人を見下す理由は、日本人を見下す理由とは少し違う?」

ましてや、ロシアという国は広大で、シベリア一帯はそもそもロシアの領土ではなかったうえに、今でも日本人の顔に近いモンゴロイド系のヤクート人やエヴェンキ族なども住んでいる。

「「エヴェンキ人」と「韓国人」の顔が似すぎている件と、韓国における顔の種類(パターン) TOP5」

ロシアは広大なので、人種的にも、地理的にも、一つには括ることができないのだが、この記事では、西洋からみたロシアや、ロシア人からみたロシア。など、いろんな角度から掘り下げていきたいと思う。

 

①西洋では、ロシアをヨーロッパの含めない場合があるのは、なぜ?

まず、人種的な観点からみてみると、フランス、ドイツ、イギリスを中心とする白人の中には、ロシア人は明らかにウチらとは違うよね?と思っている人も多い。

その理由は、ヨーロッパにいる白人の中でも、そのサブカテゴリに入る白人の種類が違うからである。

たとえば、こういう人種(白人)をそのまた下層に分けるのは難しく、現在は見た目ではなく、話す言語によって、

・ゲルマン系(北欧など、ドイツが中心)
・ラテン系(スペイン、イタリア、ギリシャなどの南欧が中心)
・アラブ系(北アフリカ、中東)
・スラブ系(ロシア西部、東ヨーロッパ)

などに分けることができる。もうザックリ書いてしまったけれども、だいたいこんな感じである。

ちなみによく言われるイギリスなどのアングロサクソンというのは、ゲルマン系の3つの部族(アングル人、ジュート人、サクソン人)の総称である。

なので、アングロサクソンというのはゲルマン系である。なので、英語という言語も、ドイツ語と同じ、ゲルマン祖語なのである。

「白人には何種類ある?北欧系、南欧系、中東系、インド系、アフリカ系を比較」

白人の種類はこの記事でも書いたので、参考になれば幸いである。また、スラブ系の顔の特徴として、少し東アジアにいるようなモンゴロイド系に近く、彫が深くなく、女性の場合、美女が多いともいわれる。(白人の世界ではロシアやウクライナに美女が多いと言われる理由がそれではないだろうか?)

現在のヨーロッパは北欧と南欧のミックスの人が多いので、ヨーロッパ人からすると、ロシア人のようなスラブ系は、同じ白人に見えない場合もあるのかもしれない。

と私は思っている。

以下に、世界主要国家の平均顔を比較したものがある。やはりこれをみても、ロシアや東欧のグループの顔はわかりやすくいうと、それほど濃くなく、白人の中でも、薄顔である。

「日本人女性は話題にもならない?世界40ヶ国、女性の平均顔が比較されていた件【海外の反応】」

よって、人種的に見た場合、ロシアはヨーロッパには見えないのかもしれない。これは、フィンランドが、言語的に、ヨーロッパの言語と孤立しているという理由で、スカンジナビア(北欧)と見なされない場合があるという現象にも少し似ている。

北欧の中心であるデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの言語は、インド・ヨーロッパ語族に属しているけれども、フィンランド(ハンガリーも)、この二つの国はヨーロッパでも唯一、ウラル語族というものに属する言語を話している。

ちなみに、ロシア語は、インド・ヨーロッパ語族のスラブ語派であるので、一応言語的にみればヨーロッパに分類される。


②ロシア人の大部分が、「ヨーロッパ・ロシア」に住んでいる


ロシアといえば、ヨーロッパかアジアかわからない、どっちにも属さないような国のイメージがある。私も、どっち?と思ったことがあった。

ロシア語にはこんな言葉がある。

Европейская часть России(European Russia) 


この言葉は直訳すると、ヨーロッパ・ロシアであり、つまりヨーロッパ側にあるロシアのみをこのように指すことが多い。(ウラル山脈によって地理的にも隔離されている)

しかも、このヨーロッパ・ロシア地区には、ロシア人口の約77%(ロシアの全人口約1億4000万人のうち約1億1000万人)が居住しているということは、あまり意識されていないのではないだろうか?

ロシアは国土の広さにしては人口が少ないなと思われがちだけれども、このようにヨーロッパ・ロシアだけを考えると、とても人口が多く感じるのは私だけだろうか?

このような視点で考えられる日本人もまた少ないのも事実かも知れない。

ピンク色の部分がヨーロッパ・ロシア。濃い緑はロシアに編入されたクリミア半島、薄緑はウクライナである。

多くの人は、5億人規模の大経済圏でもあるEU(ヨーロッパ連合)の外側に、モスクワやサンクトペテルブルクといったロシアの大都市が存在する。という目線で考えている。

またロシアの人口は、あの広大なロシアの国土に分散されているから、人口密度が低いと思っているかもしれない。

けれども、上記にも書いた通り、ロシアの人口のうち、大部分がヨーロッパ・ロシア(地図のピンクの部分)に住んでいることを考えると、イメージがガラっと変わってしまう。

(ヨーロッパ・ロシアの中心都市、モスクワを衛星写真からみた画像)

以下のように、数字を見てみると、結構驚かされる。

面積
3,984,000 km2 = ヨーロッパ・ロシア
4,324,782 km2 = ヨーロッパ連合

と、ヨーロッパ連合のほうがちょっと大きいくらいであり、面積に関して言えば同じくらいと考えてもいいだろう。

けれども、人口を比較すると、かなりの差が出る。

1億1千万程度 = ヨーロッパ・ロシア
5億人程度 = ヨーロッパ連合

で、私は何を言いたいかというと、これほどの面積に、ロシア語だけを話すひとたちが、1億人以上も住んでいる。ということを考えれば、ヨーロッパで最大の国と言っても過言ではないということだ。

ちなみに上の地図で、ちょうどポーランドの北側に少しばかり赤くなっている部分があるけれども、こちらもロシアの領土で、昔ドイツから奪ったものである。

また、ロシアはヨーロッパ地区では最大級の都市圏であるモスクワを有している。(For your reference)

■ヨーロッパ周辺の大都市圏ランキング



1位 モスクワ (1617万人)
2位 ロンドン (14,37万人) 
3位 イスタンブール (1403万人)
4位 パリ (1200万人)
5位 ライン・ルール地域/デュッセルドルフ周辺 (1147万人)

 

こういう部分を考えれば、ヨーロッパ・ロシアというのはアジア人からみたら、ヨーロッパの一部に見えるが、フランス・ドイツ・イギリスを中心としたヨーロッパからみれば、アラブ諸国のように、ウチらとは違う、もう一つ大きい極として存在しているように見えるのではないだろうか。

つまり、地理的、経済的に見た場合、ヨーロッパ人からすると、ロシア人はヨーロッパ人ではあるけれども、その中でも異質の存在なのかもしれない。



 

③ロシア人自身は、自分たちのことをどう思っている?

 

この記事では人種的、地理的に私の見解を述べてみたけれども、実際にロシアに住んでいるロシア人は、ロシアという広大な土地全体を、ヨーロッパだと思っているのか?
ということを調べるために、以下、ロシア語のサイトで、ロシアはヨーロッパですか?それともアジア?ユーラシア?というような内容のものを読み込んでみた。
以下のロシア語の記事では投票が行われており、ロシア人が自らを、ヨーロッパ人なのか?アジア人なのか?それとも独立したユーラシア人なのか?ということを調査するためのアンケートだ。
①ロシア=ヨーロッパ!→42
②ロシア=アジアよりもヨーロッパ→78
③ロシア=ユーラシア(独立した文明)→380
④ロシア=ヨーロッパよりはアジア→40
⑤ロシア=アジア→26
このようになっていた。(投票型なので、時間が経つにつれて投票の数字も変わっているかもしれない)
これによると、ロシアがヨーロッパだ!と考えている人は、ロシアはヨーロッパよりはアジアだ!と考えている人と同じくらいだということがわかりました。(意外)
①ロシア=ヨーロッパ!→42
④ロシア=ヨーロッパよりはアジア→40
 
地理的にはヨーロッパロシアというエリアが存在しながらも、そこに住むヨーロッパ・ロシアの多くは、自分たちの国ロシアがヨーロッパだというふうには考えていないようだということなのである。
これは、とても興味深い結果だ。
かといって、ヨーロッパ=ロシアと考えている人はものすごく少ない。
⑤ロシア=アジア→26
また、自らの国をヨーロッパでもアジアでもないユーラシア(別の極)と考えているロシア人が多いことが一番のポイントであり、これがある意味、答えとも言えそうだ。
③ロシア=ユーラシア(独立した文明)→380
Reference Site

ちなみに、日本ではあまり意識されていないけれども、ロシアの少数民族の数は、中国よりも多い。

「ロシアの少数民族の人口順位 TOP57(イケメン、美女写真付き)」


 

④世界の人々はロシアをヨーロッパと見なしている?

英語圏の情報で、ロシアはヨーロッパ?それともアジア?という質問記事を発見。この中からいくつか抜粋して、ロシア人以外の人々による反応を見ていくことにする。
■東南アジア人
僕は東南アジア人だけどさ、僕にとってロシアはヨーロッパでもアジアでもないと思ってる。タイとかにはロシア人がよく旅行で来るけど、僕たちが彼らを見たとき、ヨーロッパ人だというふうには感じていない。
あとロシアは場所によって人種や文化、風習が全く異なる国だよ。アジア人よりはヨーロッパ人みたいな顔をしているけど、平均的なヨーロッパ人とも違う気がする。
けど学校ではロシアはヨーロッパって教わったけどね。
結論を言うと、ロシアはヨーロッパでもあり、アジアでもある。というよりも、そもそもロシアというのは存在しなく、ロシア連邦というふうに考えるべきであろう。
■ザグレブ大学の学生(クロアチア)
ロシアがヨーロッパじゃない。というのはトルコがヨーロッパじゃない。というのに少し似ている。トルコの首都アンカラはアジア側にあるが、ロシアの首都モスクワはウラル山脈より西にあるので、ロシアはヨーロッパじゃないか?
なぜならウラル山脈は、ヨーロッパとアジアを分ける山脈だからね。
■イワン・プラガマティコフ(ロシア在住)
ヨーロッパ中心の二分法は良くないね。そりゃ地図を見たらわかるようにロシアはヨーロッパでもありアジアでもあるよ。
けど、多くの人は、ロシアはヨーロッパなの?そうじゃないの?という質問にこだわっている気がする。
これは欧米人からみても、ロシア人から見ても、ロシアはヨーロッパではないのだよ。歴史を勉強すれば、ヨーロッパがロシアのことをヨーロッパ扱いしていなかったことは明らかなんだ。だからロシアは確実にヨーロッパの国ではない。
ましてやロシアは文化的にも中国とは全然違うので、ほかの文明があるということなのだよ。
今の世界はあんな小さなヨーロッパ中心主義になっているから、東西みたいな感じで、ヨーロッパか?アジアか?という馬鹿げた区別になっているだけなんだ。
じゃ中東やインドはどっち?となるだろう。結局、小さなヨーロッパと大きなアジアという感覚だけで比較されている。
ロシアは完全に違う文明だ。厳しい気候に、ずっと続くヨーロッパや南との対立(オスマン帝国やモンゴル帝国)
ヨーロッパとロシアが文化的に違うのは、ヨーロッパはローマ帝国が支配したエリアであり、ロシアはビザンツ帝国(東ローマ帝国)の影響受けている。
ヨーロッパにはローマ法王がいる。
ロシアには、ロシア正教会のキリル1世 (モスクワ総主教)がいる。
だからロシアは見た目的にはヨーロッパに見えるけれども、文化、宗教、国民の精神(生きていくために個人的な慰めを無視して、勤勉でいること、戦うこと、資源を確保するなど)において、ヨーロッパと違い、完全に違う文明なんだ。
■ララ・ノヴァコフ(地政学オタクの女性)
ロシアの領土の77%はアジアと言われているよ。だからロシアはヨーロッパというよりアジアだよね。けど、民族的にはヨーロッパ寄りだよね。(スラブ人だけど)
けど、ロシアには白人以外にも、たくさんの人種がいるよね。
■ビクター・エゴロフ(ヨーロッパ人)
ロシア連邦っていうのは、俺らが思っているヨーロッパよりも遥かに広大な土地を持っている。またアジアと呼ばれるエリアよりも更に広いんだ。
だからヨーロッパって言う名前自体おかしいってこと。ロシア人から考えれば、現在俺らが呼んでいるヨーロッパって言うのは、西ロシアであり、日本や中国がある東アジアは、東ロシアと呼ばれるべきだろう…。
これですべて解決されるのではないかい?
Reference Site

⑤ユーラシア連合と、ロシア語圏の規模を考える

ロシアという国はこの記事でも書いた通り、人口のほとんどがウラル山脈よりも西側の、つまりヨーロッパ・ロシアに住んでいる。
一方でロシアの国土のほとんどは、アジアの真上にある。つまり、地理的に言えば大部分はアジアとも言えるし、人種的にいえば大部分はヨーロッパともいえる。というのが、この記事を書いていて感じたことである。
また、ロシア人以外の海外の反応を見てもそう書いてあった。
ところで、この記事はユーラシア連合という視点から、いかにロシアがヨーロッパでもアジアでもないか?ということを語って終わりにしたいと思う。
Reference Site
http://www.nemiga.info/eto-interesno/evraziysky_soyuz.htm
ユーラシア連合とは、経済連携協定、政治的連携を行う構想で、
・ロシア
・カザフスタン
・ベラルーシ
・アルメニア
・キルギスタン
などが参加する連合である。
一部、崩壊したソビエト帝国の復活が目的である。と言われているものの、2018年のニュースを見ても、イランやカンボジアなどが、このユーラシア連合とFTAを発効するなど、活発化している側面もある。
またこれらの国は、
にも書いたけれど、アルメニア以外は、ロシア語が通じる国である。公用語になっている国がほとんどだ。
そういう側面から考えると、やはりロシアはヨーロッパでもアジアでもない、もう一つの極、つまりユーラシアなのかもしれない。
これは、南アジア(インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ)などが、あきらかに太平洋アジアとは違うのに、欧米ではアジア!で一括りされていることに少し似ているのかもしれないと個人的には思った。
Reference Site

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