ウラル・チュルク・モンゴル系言語

話者人口500万人程度のモンゴル語を勉強し続ける理由

2017年3月3日

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話者人口500万人程度のモンゴル語を勉強し続ける理由

2017年3月3日

この記事では、同じ東アジアなのに日本人には完全に忘れられたモンゴルで今も話されているモンゴル語を勉強するメリットについて書いていきたい。

まず一つ言えるのは、モンゴル語を勉強して就職しよう!とかステレオタイプ(日本人的)な発想はやめてほしい。

以下にも書いたが、言語は就職の手段というよりも、自分の世界を広げるため、また新たな文化圏でそれらの人々と関わり合い、新しい可能性をつかむためのものであると私は思っているからだ。


「フリーになって分かった、英語よりも自分の好きなマイナー言語を学ぶべき理由」

現在キルギスの2か月間生活を終え、ウランバートルに1ヶ月生活中の私は、ここにきてよりモンゴル語を勉強したいという気持ちになった。

この記事はそもそも2017年3月に書いたものだが、現在ウランバートルでこのモンゴル語の重要性(私にとっての)を強く感じたので、忘れないうちに、モンゴル語学習者を鼓舞できるような内容を以下に書いていきたいと思う('ω')ノ

また、新たな世界の扉を開きたい人は、躊躇わずにモンゴル語をかじってみてね。

 

①モンゴル人に惹かれてしまった理由

完全にどうでもよかったモンゴル語。そんな私は、外国語メンターとして現在10言語を教えるというサービスを展開している。

私自身もこれら10言語を日本在住時に勉強し、海外を転々としながら、スペイン語やフランス語、アラビア語、中国語などの学習のヘルプを3ヶ月限定でやっている。

そしてウランバートルにやって来る前のキルギスでロシア語の勉強も終えた。(すべて日常会話程度のレベル向上を目指すレッスン→200パータンのフレーズ)

そんな私は、キルギスからドバイやエジプトに行こうと思っていたが、出発直前にモンゴルに切り替えた。なぜなら私はアラビア語を使って200程度のフレーズが言えるのだし、わざわざアラビア語圏に行くよりも、小国ではあるが東アジアで忘れられたモンゴルに来たほうが、楽しいと思ったからだ。

何よりも私はモンゴル人の顔・体格を限られたネットの写真や動画でしか見たことがなかったので、人種調査に行きたかったというのもある。人々はどんな特徴の顔なのか。ということ。

実際に来てみて感じたのは、私が本能的に惹かれるタイプがモンゴル人だということだ。前々から遺伝子系の記事では書いているが、私は短頭型で骨がシッカリしたタイプの顔立ちの男性が好み。

「頭長幅指数(長頭型、中頭型、短頭型)あなたはどれ?欧米型?韓国型?日本型?」

一方で私が本能的に惹かれる言語はアラビア語なのだけどね…。

つまりモンゴル人顔が好きな人にとっては、たとえ人口が300万人(大阪市ほど)であろうと、それはむしろ多いくらいで、韓国人が好きで韓国語を学ぶ人のように、モンゴル語もすぐに上達するという事なのである。('ω')ノ

趣味として言語を学びたいとき、その国の文化を日本文化を愛するくらい強く愛せるか、またその国の平均顔が自分の好みにマッチするかだろう。

また以下にも書いていくが、キルギスとモンゴルにやってきて私の人生における理想のライフスタイル像は一気に変わった。

そしてそれがモンゴルには揃っているということに今回の滞在で気づかされたのである。

 

②話者人口は多いのに、屈しない言語

20言語程度学んでいて思う事。ヒンディー語話者は自分たちの言語を持っているのにかつての支配層だったイギリスの言語をステータスとして学ぶ。これは多くのロシア語圏にも当てはまることで、キルギスやカザフにはそれぞれのキルギス語とカザフ語があるのにもかかわらず彼らはそれを話すことはカッコ悪いと思っている。

かつて、欧米諸国以外の国の多くの国が旧植民地だったわけだ。なので英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語などがいまだに話されている国は多い。

けれどもモンゴルは人口たった300万人ちょっとなのに、彼らは基本的にモンゴル語しか話せない。

ここで強調したいのはタイとかイランとか、韓国も独自の文字と言語を維持しているが人口が多いということ。モンゴルであれば経済的な弱さから、ロシア語圏か中国語圏に組み込まれていてもおかしくなかったはずだ。

またモンゴルは縦に書く文字を維持しているし、今後この文字の使用は経済の発展とともにさらに広がっていくと見ている。

こういう意味から、ジョージア語(ロシア語も使われているがジョージア人はジョージア語に対して強い誇りを持っている)とモンゴル語は、話者人口は少なくても強いと思うわけだ。

「ジョージア語(グルジア語)を勉強するメリットはない。けど、確実に得られるモノ」

 

③自然と動物と一緒に生きていくライフスタイル

私は北海道出身。上京後、10年以上東京のど真ん中に住んでいた。新宿のど真ん中に住んだこともあれば、銀座駅から15分ほどの場所にマンションを借りていたこともある。

私はずっと東京から出たくて、将来自分がどんな暮らしをしたいのか?と深く考えたとき、田舎で動物を育てながら畑を耕して、インターネット上のビジネスで生計を立てたいと考えていた。

そして中央アジアのキルギスにやってきてキルギス人人口の半分が今も遊牧民生活をしていると知り、またそこでの生活を通じて、彼らに憧れるようになった。

「住みやすさ抜群。日本人の兄弟国家キルギスの「ビシュケク」に2ヵ月住んでみた件」

そう。私は職場時代になんとか社畜から抜け出そうともがいていたときは、ただ英語や中国語の勉強に傾倒していたが、ある意味、住む場所を変えても収入に響かない生活に移行して以来、自分が本当に求めている国、言語に気づきつつある。

これは職場時代には気づけなかった感覚である。つまり闇雲にスペイン語(話者人口が多いという理由だけで)を勉強していて、スペインに対して興味もない人よりも、私のようにモンゴルの全部を愛している人がモンゴル語を勉強しているほうが、中長期的に、賢い選択だと思う。

 

④韓国語とモンゴルの組み合わせが良い理由

私は海外を転々とした生活をしているが、その拠点は韓国である。韓国の地方都市を転々としながら生活するスタイル。例えば、その中でも観光客が非常に少ないけれども、都会でもある大邱がお気に入り。

「生活目線で見た、韓国第三の都市「大邱」とテグ人の気質 TOP10」

大邱のような場所は、日本人観光客も全然いなければ、韓国に留学や仕事でやって来る日本人もほとんどいなくて、地理的には近いのにまるで東南アジアよりもっと向こうで生活しているような感覚になれる。

観光ビザで韓国にいれるのは3ヶ月。そのたびに私は第三国か日本に一度行くわけだが、私は正直、寒いからたまに東南アジアでも生活するけれども、東南アジアが特別好きなわけではない。それは以下にも書いた。

「東南アジアにはもう絶対に住まない!と思った理由 TOP7」

ソウルーウランバートルは直行便がある。3ヶ月韓国に住み、1ヶ月モンゴルに住むというライスタイルが可能だ。

私は昔、英語のみで韓国生活をしていた。けれども韓国語を真剣に学んでから周りに友達はもっと増え、生活しやすくなったように、今現在モンゴル語を勉強しているところだ。

KPOP系の顔が好きな人はたいていモンゴル人も好きな人が多いはずなので、この二つの言語は相性が良いだろう。

またソウルという都会的な部分も楽しめ、モンゴルという広大な大地の文化も楽しめる点で、韓国人が好きで韓国語を学んでいる人は、モンゴル語も少しかじっておくと幸福度があがるのではないだろうか?

以下、私も調べたが、モンゴル人と韓国人はハプログループCで繋がっており、この系統の顔がタイプの人はぜひ学んでおくべきである('ω')ノ

「親日モンゴル人の性格(文化)と、日本人には5%しかいない「ハプログループC」の謎と、韓国人との関連性」

 

⑤300万人国家の将来性

Photo taken by Khuraldai Mind(uploaded on google map)

モンゴルに来て分かったのは、ここは言うならば、東アジアの秘境のような場所で、ほとんど注目されないウランバートルは意外に発展していて、書店も多く、人々は小国でありながらも自分の国の言語をいまだに維持している自分たちを大変誇りに思っていることだ。たった人口が300万人なのにも関わらず、多くの洋書がモンゴル語に翻訳されて売られているのにはビックリしている。

モンゴル人は自分たちのことを大変誇りに思っており、また海外に留学したモンゴル人がこの国に戻ってきて、新しい国の形を模索し始めている。

それは、この国がアジアの家父長制が強い国なのにもかかわらず、長髪の男性が多かったり、LGBTをサポートする人が増える現象が起きていたりしていることからも感じとれることだ。

という部分にもモンゴル語の可能性を少しでも感じてしまうわけだ。またモンゴルの人口300万人は、ヨーロッパを基準に考えればそれほど少ないというわけでもない。

国名人口(万)
アルメニア296
アルバニア287
リトアニア279
モルドバ268
北マケドニア207
スロベニア207
ラトビア192
コソボ179
エストニア131
キプロス86
ルクセンブルグ60
アイスランド35

モンゴルの人口は、中国(人口多すぎ)が隣接しているため少なく見えるが、ヨーロッパにはモンゴルの人口(307万人)以下の国はたくさんあり、それほど少ないとも言えない。

日本で話題になっているエストニアなんて、モンゴルの人口の半分だよ…。(多くの日系法人が視察に行って嫌がられてるけどね…)

「日本人でも欧州連合エストニア共和国の居住者になれる!安倍首相も持っている「e-residency」を取得するメリットとは?」

あと、意外かもしれないが、結構ファンも多いアイスランドは人口たったの35万人。紋甲rの10分の1である。

また、モンゴルは平均年齢が28歳なのに対し、日本は、47歳。つまり日本にいるときよりも、若い人が二倍いるイメージなの。

いいでしょ。( ´艸`)

⑥モンゴル語は、日本人にとって学びやすい

モンゴル語はキリル文字で書かれているため、キリル文字の読み方を覚えると、ロシア語が読めるメリットもあるが、何よりもモンゴル語が、日本語と近い語順んだということが一番楽で勉強しやすい部分である。

例えばこんな感じ。

би энэ номыг уншиж байна.
ビィ エン ノミィグ オンシジ バエナ
私は この 本-を   読ん-で  い-る

この順番なら、韓国語を勉強している人にも、外国語としてのモンゴル語はそれほど難しくはないだろう。またイントネーションというか、モンゴル人がモンゴル語を話すときって、韓国人が韓国語話しているようなイントネーションで話すので、結構楽しかったりもする。

英語・ドイツ語・ロシア語・ヒンディー語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語・スペイン語などのヨーロッパの90%の言語がインド・ヨーロッパ語族に属しているのとは違い、日本語・韓国語・モンゴル語はそれぞれ言語系統不明として、同じカテゴリにはならないが、学者によっては、日本語・韓国語・モンゴル語などをアルタイ諸語としてまとめるケースもある。

「欧州なのに「インド・ヨーロッパ語族」には属さない異端の「ウラル語族」と日本語の関係」

 

モンゴル文字のユニークさ

モンゴルでは現在キリル文字でモンゴル語を表記しているが、本来存在していた縦に書くスタイルのモンゴル文字も、徐々に増えつつある。

縦に書くので表記には向いていないが、モンゴル人が自国の言語を非常に大切にしているので、手紙などの文通スタイルで今後普及していくのではないか。

この文字システムや、アラビア語のアラビア文字、ヒンディー語のデヴァナガリ文字のように、独特であり、しかも縦から書くスタイルなので、他の言語ではほとんど見られない。

そこにまた楽しさが見つかるかもしれないね。

ちなみに、内モンゴル自治区(中国側)ではキリル文字表記はしていなく、全てこのモンゴル文字で書いている。

今でこそアラビア文字で表記されている新疆ウイグル自治区のウイグル語だが、ウイグル語は本来モンゴル文字で表記されていたというのもまた面白いよね('ω')ノ

また内モンゴル自治区には、2400万人ほどの人口がいるが、このうち17%がモンゴル系住民であり、つまりモンゴルよりも多い400万人ものモンゴル人が住んでいる。

彼らも当然、モンゴル語を使うわけだ。なので、モンゴルだけでなく内モンゴル自治区でも使える言語であることも覚えておこう。

 

⑧「ブリヤート共和国」と「カルムイク共和国」の存在を忘れてはいけない

2021年6月29日現在、コロナ渦でありながら、ロシアビザ取得し、ブリヤート共和国に滞在中のマルチリンガール 。ロシアにあるこのブリヤート共和国は人口の3分の1がブリヤート人で、モンゴル語と言語系統が同じブリヤート語を話す。

彼らは簡単に言ってしまえば北モンゴル人みたいなものであり、モンゴル人と顔も同じ。モンゴルで使われているモンゴル語と文法は少し違うがそれでもモンゴル文字を今でも大事にしていたり、ブリヤート人同士で結ばれる人が多く、民族の団結心が強い。

ロシアの電子ビザが解禁されることになると、さらにいきやすい場所にもなる。簡単なモンゴル語の挨拶であれば、ブリヤート語と似ていることも多く、またバイカル湖周辺までかつてモンゴルの領土だったということも感じれて一石二鳥。

ブリヤート共和国に関しては以下に書いた。

「ブリヤート共和国、ロシアの超危険都市「ウラン・ウデ」で1週間ノマド生活した件」

そしてもう一つ。ロシア内にあるカルムイク共和国は、モンゴルから非常に遠く離れているが、かつてモンゴルがモスクワ周辺を支配していた時代に残ったモンゴル人の末裔などが今も生きており、カルムイク共和国内の半分以上が、モンゴル語のオイラト語を話す人たちで構成されている。

この辺でもモンゴル語を少し学んでおけば親近感がわくかもしれないよ。

https://en.wikipedia.org/wiki/Kalmykia#Demographics

 

⑨モンゴルは避暑地。是非パソコン1台で来てみて!

Reference Site
www.xsjjys.com/ulaanbaatar.html

現在(2019年9月時点)ウランバートルにアパートを借りて住んでいる私。9月下旬なので昼間は暑い日もあり、夜は涼しい感じで過ごしやすい。また9月15日くらいから4月まで強制的に暖房が入るので家の中は暖かく、バスの乗り方さえ覚えてしまえば、このコンパクトな街をうまく使って生活することができる。

ビザは1ヶ月しかないが、モンゴルで生活しながら簡単なモンゴル語を勉強している現在の私は、また違う視点で日本を見ることができているような気がする。

「西洋化の真っただ中?モンゴルの「ウランバートル」に1ヶ月住んでみた件」

日本人と言えば、中国・朝鮮半島などの反日国に囲まれていて、ロシアとはまだ平和条約すら結んでいないが、ここモンゴルは皆親日。多くの人が日本を向いていて、非常に暮らしやすい国だということが来て分かった。

またモンゴルは歴史上イランや東ヨーロッパ、中国までも支配したモンゴル帝国という時代もあったので、この国の将来の可能性を探ってみたくなるのだよね。('ω')ノ

是非、台風の多い夏にはモンゴルに逃げて、1ヶ月アパート借りて休んでみたり、モンゴル人と接してみたりしてみてはいかがだろうか。

きっと第二の故郷化すること間違いなしだよん(^_-)-☆

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