ロシア語(スラブ系言語)

たった3日間だけの滞在で感じた、ウクライナ「キエフ」の闇

2021年4月19日

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たった3日間だけの滞在で感じた、ウクライナ「キエフ」の闇

2021年4月19日

約1ヶ月半のオデッサ滞在を終えた私は、日本に帰国するためにウクライナの首都キエフ→イスタンブール→東京というルートでのフライトをゲット。トルコ航空で約6万円~7万円くらいだっただろうか。

さて、前の記事でも書いたのだけど、南ウクライナ最大の都市オデッサで現地の富裕層が集まっていそうなコンドミニアムでプチ生活していた。とはいっても1ヶ月ちょっとだけどね。その時は全然見えてこなかったのだけれども、どうもウクライナでは人を信用することができない。ということを強く感じることになる。この感覚はトルコやジョージアに抱く感情とは違い、ずっと不思議に思っていた。

オデッサで借りた25階のアパートの中でも、どこかに隠しカメラがあるのではないだろうか?と疑ってしまっていたし、私が部屋を空けているときに、私に部屋を貸してくれたホストが合鍵で入り、何か探ってこないだろうか?など、なぜか他の国ではあまり考えなかった事を強く考えた。

というのも、トルコのアランヤにあるロシア系の富裕層が住むコンドミニアムでも私が部屋を空けているときに誰かが入った形跡があったからだ。(ホストはロシア人男性)

そもそも、外で見るウクライナは男女問わずオシャレ。例えば女性は化粧なしでは外に出ない。と言っても大げさではないほど、フェミニンな格好をして外に繰り出す。他のヨーロッパ、特にフェミニズム的な西欧とは対照的である。

けど彼らはあまり笑顔で歩いていない。顔に表情が感じないというか。

さて、少し前置きが長くなってしまったのだけれども、私が今回ウクライナでプチ生活してみて感じたその闇について、いくつかの見出しに分けて紹介していきたいと思う。

 

①部屋に警官二人がやってきた

私の部屋は角部屋で、市街地も海も見えるといった素晴らしいお部屋だった。けれども、隣の部屋はリノベーション工事をしており昼間は非常にうるさく、壁が薄いためか、上に階に住んでいる人の椅子の引きずる音などに嫌気がさすこともあった。

さて、そんな部屋で夜19時頃疲れて寝っ転がっていたら、トントンと何度も鳴る音にビックリして鍵穴を覗いてみると、銃を持った警官が二人いたのだ。私は別に悪い事はしていないし、堂々とドアを開け、何?って言ったけれども、なにせウクライナでは自分より身分が上にとれる人と接した場合に、どういう反応をしていいか分からなかったので、不安そうな顔で、対応した。

心の中では物凄く真っ白。この警官二人は私を脅して私からお金を奪いに来たのではないか。どこかに連れてかれるのではないか。セキュリティも万全なこのコンドミニアムの私の部屋にわざわざ来るなんて何か理由があっての事なんだろう。と訳が分からなくなっていたが、パスポートを渡すように命じられ、渡した。

その後、ここになぜ住んでる?という質問などが終わり、ニヤニヤ笑いながら帰っていったのだ。彼らはパスポートを見せる前、私が自分の名前を言ったら、その名前がロシア語で何かに似てるせいなのか、終始大爆笑していたのもポイント。なので恐れは少しずつ吹っ飛んでいった。

で、その後部屋を貸してくれたホストになぜ警察が来たのか。と尋ねてほしいとお願いしたところ、単に部屋を間違えたのだという。

また、ホストが冗談で、「君はマフィアではないよね?」などと言ってきた。その時は単なるジョークにしか聞こえなかったが、それはキエフに着いてから、その意味がなんとなく分かるようになる。

 

②メラニア夫人・パリスヒルトンが意味するもの

キエフでは、3カ所に泊まった。まず最初に泊まったこの高級コンドミニアムは、なぜかエレベーターで会う人たちが刺青をした人だった。西洋では刺青はそんな大したものではないが、私がイメージする高級コンドミニアムというのは、もっと上品な人たちが多いと思っていたのでそのギャップに驚いた。

この部屋(ライトがすごい高級で撮影に適していたので動画撮影したがったができなかったのが残念…)を紹介してくれた女性は、私がオデッサでみてきたウクライナ人とは顔がやけに違っていた。その特徴は、パリスヒルトンのような唇に、メラニア夫人のような眉毛と、物凄く狐のようにきつくみえるようなアイメイクである。

たまたまtwitterで、親しくさせてもらっているロシアに10年くらいいた男性のツイートに流れてきたこの女性な感じ。

やはり何か不自然に見えるのである。そう感じる理由は、現地で少しでも生活して人を観察していると自ずとその国の人たちの平均顔が分かってくるからだろう。

さて、その女性は、外見とは違って少し天然さもあったのでそれほど気にはしていなかった。また、日本で言えばコギャルみたいな感じだった。そう。日本にはギャルみたいな人は減ったけど、ここウクライナでは現地版のギャルみたいな人がいる。

さて、キエフにはこういった整形、メイクの女性が非常に多い。そしてウクライナ人に整形というイメージは全くなかったが、やはり都市部では、また富裕層の間では整形はある種のステータスになってるのではないか。と感じた。

つまり、整形できるだけお金があるのよ。と見せつける為のものであったり、ウクライナには美女が非常に多いけど、皆同じような顔をしてることが多いので、あなたたちとは違うの。私のほうがバカンスに行って日焼けしてるんだから。

私のほうが英語喋れるし、アメリカで流行ってる分厚い唇にできるんだから。という感じなのかもしれない。

どの国でも、平均顔より少し濃くするなりして、女性の中でも頂点に立ちたいという感覚があるのかもしれない…。

③顔の系統が違っていた

整形の話はさておき、上にも書いたがウクライナでは割と同じような顔の人たちが非常に多い。日本は大きく分けていわゆる弥生系、縄文系(時代的な意味での分け方ではなく)といって薄い顔と濃い顔が同じ割合くらいでいて、アメリカは更に人種のるつぼなので、色んな顔立ちがある。中国も多民族国家なので、漢民族の割合は多いもののやはり多様性のある国だ。

ヨーロッパだって北方南方でだいぶ顔が違うし移民を受け入れさらに多様化。イランやインドだって人の移動が多く、色んなタイプの顔が存在する。

けど韓国やモンゴルは同じような顔の人の割合が多い。というよりも同じような系統の人と言ったほうが分かり易いだろうか。ウクライナもそれと似ていて、白人の中では顔が凸凹しておらず、いわゆる白くて薄い顔の人が多い。

一方ロシアは東に領土を拡大していった事や、過去にモンゴル帝国の影響を受けている。タタール人、グルジア人、カザフ人など色んな民族とも交わっている。けれども、ウクライナは純スラヴ人といった感じで、似ている人が多いなと感じた。

さて、その中でも、オデッサの中央駅や、中央市場的な場所、つまり大型ショッピングモールや、市の中心部の華やかな場所ではないところに行くと、この人たちは一体どこの国からやってきたの?という、ウクライナの平均顔とはかけ離れた人たちが沢山いたのに驚いた。

アルバニアやルーマニアにも多いと言われるロマ人(インド北部からやってきたジプシーの一種と言われている)もその中にはいたかもしれないが、何か中東人のような、うまく説明できない、社会から忘れ去られたかのような人種が朝から路上で薬をやっているところを見てしまった。

1人当たりのGDP30万円程度のウクライナでは、貧富の差が非常に激しく、先進国と全く変わらないレベルのショッピングモールには身なりも外見も良い人たちが多く、こういった貧困層が集まる場所には、国籍が特定できないような人達も多い場所があり、このギャップに闇を感じた。

④銀行口座を持っていない理由

私はキエフで二日目に泊まった部屋で、あるトラブルに遭遇した。booking.com で見つけた25階くらいの見晴らしの良いアパートを2日分予約したのだが、実際にその場に行ってみると、その部屋は今他の人に取られてしまっていて、代わり4階の部屋を案内された。

とはいってもそのコンドミニアムはキエフの中でも高級な部類に入り、カードキーさえあれば屋上のラウンジには行ける。その翌日は目の前にある違うアパートに私が所有している部屋を貸すから。ということで、私もそれを承諾してしまった。

で、クレジットカード決済ができないというので、ATMでお金をおろして渡した。そして領収書をください。と言うと、渡したくないような感じで、「私たちはそういうものは渡していないわ」ということだった。

その女性は40代くらいだったのだが、まさに前日に会ったギャルのように、やはりメラニア夫人の目元と、パリスヒルトンの唇だったのである。

その後、色々あってそのコンドミニアムの目の前にある17階の部屋を案内されたが、少し怖くなった部屋を後にして、違うホテルに泊まった。

なぜ私が14000円払ったにもかかわらずそのアパートに泊まらなかったのか。それは身の危険を感じたからだ。もちろんそんなことは起きるはずがないのだけど、彼女の挙動が非常に無機質で、ロボットのようで、まるで誰にも愛されたことのないような表情だった点。

試しに、最初に行ってた部屋と違うんだから返金して。と言ってみても応じてくれなかった。案の定、私はお金を渡したにも関わらず、booking.comの管理画面では、私はお金を払わずキャンセルしたことになっている。

なのでこの件をbooking.comの評価としてコメントする事すらできない。

さて、キエフに数年住んでいるtwitter繋がりの女性にそれを話しと、「タクシーの運転手がよくこの国はマフィアのほうがお金を持っている」と言ってるよね。と言う話をしていて、全部繋がってきたような気がした。

⑤マフィアのルート

あのアパートに二日分お金を払ったものの止まらなかった私はキエフでも高級な部類に入るホテルで二泊することに。

まさに、3年前ほどに私がウクライナに関する記事を書いた時に載せた、あの高層ビルがあり、そこが分岐点のようになっているところが見える部屋。

「英語も通じる?今EUで、ウクライナが注目されている理由 TOP7と、EU加盟に対する厳しい声」

で、気持ちも落ち着き、よくよく考えてみると昨日会ったあの40代の女性は、もしやマフィアの奥さんなのでは?というのが頭に過った。だから何?で終わりそうな話なのだけど、私はウクライナについてあまりにも無知だったことに驚いている。

けれども、警官が銃を携えながら私の部屋をノックした事や、なんかウクライナでは皆、自分の事を言おうとしないような空気があるということや、自分なりに感じ取ったものなどを考えると、そこで色々な事が繋がってきたとさえ思えた。

それにしても、キエフに来てこの事件を通じて、色々調べてみてわかったのだけど、数日前まで1ヶ月ちょっといたオデッサがマフィアの拠点になっているという事。そして私が住んでいたあのアルカディア地区も、もしかしたらそういう人たちが多く不動産投資しながら暮らしていたのではないか?など、勝手に頭の中で色々考えてしまっていた。

何でもウクライナのマフィアは、ロシアのマフィアとも関係していることもあるのだとか。国同士では敵対していても、それはマフィア同士には当てはまらないのかもね。

で、オデッサは昔貧しいユダヤ人が非常に多かった街で、盗賊文化があるのだとか。また、港もあることから、密輸業者の避難所だったり、ギャング、泥棒、犯罪組織などが多いのだとか。ソ連崩壊後の世界的な人身売買ネットワークの主要なハブとさえ説明されている。というのも、地理的に中央アジアからヨーロッパにヘロイン、偽造タバコなどを密輸する中継地点となるからだそう。

https://en.wikipedia.org/wiki/Ukrainian_mafia

アルカディア(オデッサの富裕層が住む地区)で生活してみて思ったのは、誰も仕事してないで遊んでいるイメージがあったということ。それがずっと頭の中で引っかかっていたので、色んなことが繋がってきた気がする。

さて、最後によく考えてみると、キルギスで借りた部屋も、クレジットカードが使えず、現金はダメだった。キルギスの富裕層は国を信用していないのでアメリカドルやユーロで支払って!という事も多かったので、マフィアだとは思いたくないが(笑)

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