スペイン語

スペインで話されている言語 TOP7

2022年1月8日

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スペインで話されている言語 TOP7

2022年1月8日




日本でも最近学習者が増えてきているスペイン語。そのスペイン語話者の多くは中南米だが、誰もが知っている通りもともとはスペインの言葉である。中南米では南ケチュア語、グアラニー語、アイマラ語などの先住民の言語も残っていたり、ボリビアなどのように公用語になっている国もあるが、やはりブラジル以外の中南米はそのほとんどがスペイン語を母語として話す人たちの集まりである。

けれども本家であるスペインはどうだろう。調べてみると、その面積の割りに、中南米以上にスペイン語以外の言葉を母語レベルで話す人も多いのである。それにはスペインの歴史への理解が欠かせないが、そういうものなしで、とりあえずスペインで話されている言語というのをランキング化してみることにした。

これを知ることで、スペインに対する理解が一つアップグレードされ、また言語学習に対する選択肢が増えることを願う。

 

7位 エストレマドゥーラ語(0.004%)

言語系統 インド・ヨーロッパ語族・ロマンス諸語

エストレマドゥーラ語の話者数は、1994年時点で20万人程度なので、現在はさらに減っている可能性もある。以下の動画は、エストレマドゥーラ語で自己紹介している動画。動画検索してもあまりこの言語で話している動画は見つからないので貴重。

WIKITONGUES: Daniel speaking Extremaduran

この人の話し方がなのか、この言語なのかは分からないが、軽くアラビア語で発するような母音があったような気がして気になった。ちょうどポルトガルとスペインに挟まれた地区で話されている言葉であり、厳密にいえばスペイン語との違いは方言レベルだという。

現在の話者数は数千人程度とも言われている。同州の北部あたりで話されているアストゥリアス・レオン語と近い関係にあるという。

 

6位 アラン語(0.007%)

言語系統 インド・ヨーロッパ語族

アラン語の話者人口は2600人(ネイティブ)+2100(非ネイティブ)くらいだそう。とはいってもこの数字は2001年のものなのでもっと少ない可能性も否定できない。スペインではアラン語のことをスペインにおける一つの方言と位置付けている。

こんなに話者数が少ないにもかかわらず、カタルーニャ州の公用語にも指定されており、アラン谷に話者数が多く、ここはフランスとスペインに挟まれたアンドラにも近い。

2歳以上のアラン谷=バル・ダラン(カタルーニャ州)人たちにおけるアラン語の知識レベルは以下。

19962001200820132018
合計割合合計割合合計Percentage合計割合合計割合
理解できるレベル6,29590.05%6,71288.88%6,60078.2%6,84080.7%7,06083.3%
話せるレベル4,53464.85%4,70062.24%4,80056.8%4,71055.6%5,08760%
読めるレベル4,14559.29%4,41358.44%5.00059.3%5,02059.3%6,23473.5%
書けるレベル1,74624.97%2,01626.69%2,90034.9%2,95034.9%3,88045.8%
ソース : IDESCAT, Cens lingüístic de l'aranès de 2001[1] and Enquesta d’usos lingüístics de la població - Aran 2008/2018.[8]

普通こういう言語の話者数は下がっているはずなのだけど、1996年に比べれば、少しずつ数字が上がっているのが面白い。母音の構造を見ると、カタルーニャ語に近い感じがする。

 

 

5位 バスク語(1%)

言語系統 孤立した言語(バスク語族)

バスク語でバスク語のことは、エウスカラ。と呼ばれている。スペイン北部で話されているバスク語はネイティブレベルで70万人近くの人に話されており、そのほかに40万人ほどの話者がいる模様。

ヨーロッパの中でも珍しく、言語系統不明の言語となっている。ヨーロッパではよくバスク語だけがなぜ言語系統不明なのか。ということが議論されている。

その中で、インド・ヨーロッパ語族の言語が来る前から存在していた言語。と言われることもしばしば。つまりラテン語よりも古い言語だと言われている。で、母音は日本語と同じ、5つしかなく、アルファベット読みでOKな言語なので、発音は非常に簡単である。

スペインのみならず、ヨーロッパの中では、ウラル語族のフィンランド語、ハンガリー語、エストニア語以外において、インド・ヨーロッパ語族から外れた言語だけれども、多くの語彙をスペイン語やフランス語から取り入れているため、スペイン語をかじっているものであれば、単語においてはそれほど苦労しないと言われている。

2022年は私もバスク語に向き合う予定。

「日本語に似すぎ!?フランス南西部、スペインの「バスク語」がミステリーすぎる!と話題に【海外の反応】」

 

4位 ガリシア語(3%)

言語系統 インド・ヨーロッパ語族

歴史的には古代ローマ帝国時代にガラエキアと呼ばれたプロウィンキアで話されていた俗ラテン語がその母体となっている。ガリシア語は、地理的にはポルトガル北部に位置するガリシア州で話されている言語で、ポルトガル語との相互理解が可能という点で、スペイン語とは違うと言われている。

スペイン語とポルトガル語も相互に伝わると言われているが、ガリシア語とポルトガル語はそれ以上の関係。その理由は、ガリシアとポルトガルが中世に統一されていたことがあるためだという。

もともと中世ではガリシア・ポルトガル語という名前だったことも。

母音の数は、この記事の中で紹介されている言語の中で一番多い。スペイン語が5つの母音なのに対して、バレンシア語やカタルーニャ語のように、7つの母音がガリシア語にもあり、それに加え、5つの鼻母音がある。

この母音の数は、ポルトガル語とほぼ同じであり、つまりガリシア語は音の面からみても、スペイン語よりもはるかにポルトガル語に近いということがわかる。

 

 

3位 バレンシア語(4%)

言語系統 インド・ヨーロッパ語族

話者数は240万人ほど。言語学者の間では、バレンシア語はバレンシア州で話されているカタルーニャ語の方言だとも言われている。この地図はまさにそれを表したもので、緑色の部分がWestern Calatan(南カタルーニャ語)とされており、ここがバレンシア語にあたる。

ここにもかつてバレンシア王国(1237年 - 1707年)という国があった。

ところでバレンシア語をスペイン語と比較するという意味で考えると、スペイン語の母音がたった5つ(日本語と同じで発音しやすい)なのに対して、バレンシア語の母音は、7つもある。

 

 

2位 カタルーニャ語(8%)

 https://www.ccs.neu.edu/home/qianz/MapTwitterLanguage/v1/country_htmls/ESP.html

カタルーニャ州を中心に話されるこのカタルーニャ語。アンドラの公用語でもある。

2017年カタルーニャ独立住民投票からもわかるように、独立まで問われるほど、スペインにおけるカタルーニャ語話者の存在は強い。410万人(2012年)の第一言語話者と、1000万人以上(2018年)=スペイン人口の20%の第二言語話者がいる。

このスペインの地図のピンクになっているところは、カタルーニャ語話者の分布。このサイトに飛ぶと、スペイン語話者とカタルーニャ語話者などを地図でどのくらい分布しているのか見れるようになっている。そのほとんどが、バルセロナを中心に東側の沿岸や島々。そして首都マドリード。

このカタルーニャ州にはかつて、今よりも長い間、アラゴン連合王国(1162–1716)というのがあった。そのためスペインという意識がそれほど高くなく、独立住民投票がされるまでに至った。なので、日本における東京と大阪の違いみたいな軽い見方ではだめだということである。

一つこの地図で注目しておきたいのは、バレンシア州もこの中に入っている。またよく言われるのが、カタルーニャ語を話す者からすれば、バレンシア語はカタルーニャ語の方言。と思っている一方、バレンシア語話者からすると、カタルーニャ語とは一緒にされたくないので、一緒にしないで。とのこと。

さて、スペイン語との違いを探ってみると、まず発音において、スペイン語のほうがハッキリ聞こえる。わかりやすく言うなら、スペイン語とフランス語の間にある言語という印象。

My name is Ryoko. I am learning Spanish. It is really fun. Thank you!(英語)

Mi nombre es Ryoko. Estoy aprendiendo español. Es muy divertido. ¡Gracias!(スペイン語)

Em dic Ryoko. Estic aprenent castellà. És realment divertit. Gràcies!(カタルーニャ語)

で、調べてみるとやはり、バレンシア語と同じように、カタルーニャ語も母音が7つほどあり、これで音価の面で見てもバレンシア語とカタルーニャ語が近い。ということが少しわかるのと、スペイン語がバレンシア語やカタルーニャ語よりも日本人にとって発音しやすい。という証拠にもなる。

 

1位 スペイン語(81%〜99%)

Controversia por el nombre del idioma español

スペイン語は、カスティーリャ語(castellano)とも呼ばれている。この意味は、castle(城の)+master(主人)というような意味であり、カタルーニャ語やバレンシア語などと比較する際に使われる模様。一方、Espanol(Spanish)といえばスペインの言語という意味。とはいっても、スペインにあるいくつもの言語を全て意味をしてるわけではない。

さて、調べてみると、スペイン語圏では、地図で青くなっている箇所がスペイン語のことを「Espanol」と呼び、赤くなっている国々が、「Castellano」と呼んでいるようだ。

もう一度言うけど、Castellano は、お城が語源なので、ちょっとスペイン語をかっこよく表現した言い方と覚えておけば良いのでは?

 

最後に

スペイン語といえば、中南米のメキシコから南米のアルゼンチンあたりまで、アメリカ大陸で話されている世界言語というイメージがあるが、その中南米の広さに比べてスペインは地理的にも小さいはずなのに、これだけの言語がある。ということを知ると少し夢が広がらないだろうか。

スペインにいくつかの言語があるということが分かれば、その中で一番重要なスペイン語をもっときちんと勉強しなければならないと思えるし、また話されている言語ごとに各々の言語圏のプライドなんかもありそうなので、旅行する際の一つの参考になるかもしれない。




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