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ヨーロッパの都市圏人口ランキング TOP15

2018年11月7日

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ヨーロッパの都市圏人口ランキング TOP15

2018年11月7日

ヨーロッパと聞いて想像する都市名と言えば、ロンドン・パリ・ローマ・ベルリン・マドリードなど、まずは主要国の首都が思い浮かび、その後に、アムステルダム・ミラノ・バルセロナ・ストックホルム・フランクフルトなどが浮かぶものだと思う。

けれどもこれは都市の話で、この記事では大都市圏について書いていきたいと思う。つまり、東京の山手線を中心にした関東全体に、3500万人規模の経済圏があるのと同様に、東京23区や東京都の人口ではなく、周辺を含む都市圏(メトロポリタン・エリア)の順位を書いていきたいということだ。

この感覚が分かると、ヨーロッパのどの都市の周辺に人が最も集まっているのかという感覚が分かってくるだろう。

このランキングは、「List of metropolitan areas by population」に基づき作成しているけれども、私の知識も交えながら、書いていく。

 

15位 ハンブルグ

都市圏人口 510万人
面積 26,000 km2

ハンブルグ都市圏は、ドイツで5番目に大きい都市圏ということになる。このランキングでフランスの都市圏が一つしかないのにも関わらず、ドイツの都市圏が多いのには、歴史的な理由がある。それはこの記事の中で述べていこう。

ちなみにハンブルグというと、あんまりイメージがわかない人も多いかもしれないが、ドイツの都市でも大きめの歓楽街がある。

事実上、北欧最大の歓楽街なのではないだろうか。

「【閲覧注意】旅行中に間違って行ってはいけない、世界の売春街(風俗街) TOP18」

→北欧の都市の規模がかなり小さいので…。ちなみに、ハンブルグはドイツ北部の都市なので、北欧などの都市に入ることもある。ハンブルグ、コペンハーゲン(デンマーク)、オスロ(ノルウェー)、ストックホルム(スウェーデン)みたいな。

 

14位 ミュンヘン

都市圏人口 520万人
面積 27,700 km²

ミュンヘン大都市圏はものすごく広い面積である。ここはバイエルン州の面積の半分にあたるという。そもそもバイエルン州はバイエルン王国があった場所でもあり、バイエルン州だけでも、スイスと同じくらいの経済規模を持ちそうなエリアである。

「なぜドイツ南部のバイエルン州は、ドイツから独立したがっているのか?【ドイツの反応】」

またドイツ全体の18%ものGDPが、ここバイエルン州によるものでありことから、独立志向がかなり高いと言われている。

List of German states by GRP

 

13位 シュトゥットガルト

都市圏人口 520万人
面積 15,400 km2

ミュンヘンとフランクフルトの間にあるシュトゥットガルトという都市を中心に形成されている都市圏。このシュトゥットガルト都市圏は、日本人にはあまり知られていない。

都市圏人口は、520万人だけれども、面積がかなり広い。この面積は、日本でも北海道の次に面積の広い岩手県の 15,275 km2 くらいである。

けれども、ハンブルグの都市圏面積よりも狭く、ハンブルグとシュトゥットガルトの都市圏人口はほぼ同じだけれども、シュトゥットガルトのほうが、更に上!となる。

とはいっても、シュトゥットガルトは、北はフランクフルト、南はチューリッヒ、東はミュンヘンという誰もが知っているような都市に囲まれているので、名古屋のように存在感が薄いのも頷ける。

 

12位 バルセロナ

都市圏人口 535万人
面積 4,268 km2

面積に注目してみよう。バルセルナ都市圏の面積が、シュトゥットガルトの3分の1まで狭くなった。ランキング上では、人口しか考慮していないので、このような順位になっているが、11位のライン=マイン地方(フランクフルト)より低いが、バルセルナのほうがもっと都会ということになる。

ちなみにバルセロナは、カタルーニャ州の中心都市であり、このエリアの人たちは現在のマドリード(スペイン王室)中心のスペインに不満を持っているものも多い。(現在のスペイン王朝は、フランスの王朝だったブルボン家である。

「ハプスブルク家、ブルボン家、ザクセン=コーブルク=ゴータ家、ロマノフ家、ホーエンツォレルン家。現在もヨーロッパに存在する貴族の末裔たち」

そもそも、ここには、カタルーニャ君主国というものが存在していたことからも分かるように、いまだにスペイン語ではなくカタルーニャ語が話されているエリアでもある。

 

11位 ライン=マイン地方

都市圏人口 582万人
面積 14,800 km2

ライン=マイン地方フランクフルト・アム・マインを中心とした都市圏のこと。フランクフルトといえば、市内人口が、72万人しかいないけれども、都市の周辺を合わせると、582万人まで増えるということである。

またこのフランクフルトという場所は、中世以来、ドイツの中心都市の一つであり、1806年まで神聖ローマ皇帝の選挙が行われる諸侯会議が開催された地であり、1562年以降は皇帝の戴冠式もこの都市で挙行されたとされている。

つまりドイツの中でも歴史的に重要な場所であり現在も、ヨーロッパ大陸の金融中心地として、欧州中央銀行、ドイツ連邦銀行、フランクフルト証券取引所、ドイツ銀行、コメルツ銀行など、数え切れないほどの銀行が集まっている。

日本で言えば、丸の内など、東京駅周辺のようなイメージになるかもしれない。

また、あまり知られていないのは、近代の歴史を動かしてきたと言われているロスチャイルド家も、ここフランクフルトが発祥だということだ。

「ロスチャイルドの五家(フランクフルト、ウィーン、ロンドン、ナポリ、パリ)と、その末裔たちの現在」

そのためもあってか、ドイツの主要都市の中でもミュンヘンについで物価が高い。家賃基準)

Cost of Living in Germany(Studing in Germany)

 

10位 ベルリン・ブランデンブルク

都市圏人口 600万人
面積 30,370 km2

ベルリン・ブランデンブルク都市圏は、面積がバカでかい…。ベルリンはよく大きい田舎と呼ばれるけれどもまさにそういう言葉が似合う。

日本の首都東京とは違い、ベルリンはドイツの政治の中心ではあるが、大企業がベルリンに集まっているわけではないので、大企業の社員が多くいるというイメージがなく、また政府が主導していることもあってか、ベルリンは世界各地から起業家が訪れる、ロンドンやパリとも違った個人を意識した都市づくりが盛んであるという点も、また面白いと思う。

人によってはベルリンが楽園に感じる人もいるのだとか。またヨーロッパのシリコンバレーなどと呼ばれることもある。それだけ自由な発想がしやすい環境なのかもしれない。

 

 

9位 サンクトペテルブルク

都市圏人口 620万人
面積 11,600 km2

都市圏人口はベルリンとほぼ同じだけれども、サンクトペテルブルクのほうが、3分の1ほどと、面積が小さい。つまり、サンクトペテルブルクのほうが、ベルリンよりも更に都会度が高いことになる。

またサンクトペテルブルクは日本人がイメージするモスクワ的なロシアとは違い、北欧的な雰囲気があるのだとか。

東京と大阪で人の感じが全く違うように、ロシア国内でもモスクワとサンクトペテルブルクの人たちはファッションなども全然違うという。

Reference Site
Санкт-Петербургская агломерация

以下私の体験談。

「「サンクトペテルブルク」がノマド生活の私には向かなかった理由」

 

8位 マドリード

都市圏人口 632万人
面積 5335 km2

マドリードとバルセロナは、東京VS大阪以上に、ライバル意識が強いと思う。なぜなら、両都市の人口と面積を比較すると、だいたい都市規模が同じくらいだからである。

そういう同等レベルの都市が一つの国に二つあるというのも、また珍しいと思う。

Reference Site
https://en.wikipedia.org/wiki/Madrid_metropolitan_area

 

7位 ランドスタット

都市圏人口 821万人
面積 8,287 km2

ドイツのライン・ルール地方と同様分かりにくいのだけれども、このオランダのランドスタットを日本で例えるのなら、北九州・福岡大都市圏に近い感覚かもしれない。

つまり、近い範囲に同規模の都市が集中している場合、このような名前がつけられてしまう。たとえば、関東に東京23区がなかったとして、

横浜市・千葉市・さいたま市みたいに、ある程度同規模の都市が分散していた場合、横浜都市圏とは言わないのと同様に、ランドスタットという名前にしたというわけだ。

もし、アムステルダム市の人口規模がもっと大きければ、アムステルダム大都市圏になっていたかもしれないけれどね。ロッテルダムの人口も結構多いのがポイント。

ちなみにランドスタットという概念は日本ではほとんど知られていない。

これを知るだけで、アムステルダムに住めば、ハーグやロッテルダムも気軽に行けるということがわかるようになる。アムステルダムーロッテルダム間は、なんと77kmで、大阪ー京都の56km より少し遠いくらいである。

無論、関西とは違い、オランダは都市がそこまで広がっていないので、実際には車で飛ばした場合、近く感じるかもしれない。(北海道には何もないので、距離が遠くても近く感じるのと同じで)

一方、パリに住んだ場合、パリから郊外に出て他の都市に行くにはかなり時間がかかる。というのも、パリの近くには大都市がなく、まさにパリしかないからだ…。


パリから一番近そうな大都市ブリュッセルまでは、350kmもある…。

また、上の写真のロッテルダムのように、意外とオランダの繁栄と、都市化は日本に伝わっていない気がする。

ちなみにオランダはヨーロッパの中でもダントツで平均身長が高く、しかもそれはヨーロッパでもっとも身長が高いドイツ人をも超えているという、不思議な国である。

「日本人が低身長なのは遺伝が理由?背が高い国、低い国 TOP20 と、平均寿命との関係」

また日本人が意外にも優遇されていたという歴史もあったりと、日本人にあまりオランダが知られていないのは、ちょっと悲しいかな。とも思ったりする。(;^_^A

「日本人は特別?オランダがスイスと日本だけに最恵国待遇を与える理由」

最後に。ランドスタットの都市圏規模は、ミラノや、サンフランシスコに匹敵すると書かれてあった。

Reference Site
https://en.wikipedia.org/wiki/Randstad

 

6位 ミラノ




都市圏人口 817万人
面積 13110 km2

ミラノとランドスタットの人口が逆転しているけれども、ランキング順は変えないことにする。記事の一番上のランキングではこの順番だったので。

ミラノの都市圏人口と面積を見ると、パリと同格なのでは?とも思ってしまう。

現在日本からイタリアへの直行便がないこともあってか、ミラノの存在感は結構薄いけれども、ヨーロッパではかなり都会であるということが判明。結構、穴場かもしれない。

ちなみにバチカンなどもあるローマの場合は、435万人(5352 km2)

またミラノは地理的にイタリアというよりも、どちらかというとスイスのほうが近い気がする。なので、イタリアの中でも最もプライドが高いのではないだろうか。

ドイツのバイエルン州の人たちがプライドが高いように…。いずれにしても、ミラノは私も一度住んでみたい…。( ´艸`)


Reference Site
https://en.wikipedia.org/wiki/Milan_metropolitan_area

 

5位 ライン・ルール

都市圏人口 1068万人
面積 7,268 km2

ドイツで一番人口の多い都市圏はベルリンじゃないの?と思った人も多いかもしれない。

これがまたわかりにくいところ。東京のように山手線を中心として都市が広がるという訳ではなく、デュッセルドルフ(61万人)、ドルトムント(58万人)、エッセン(57万人)、デュースブルク(49万人)などの中規模都市が狭いエリアにいくつもあるというような感じ。

ドイツがもともと日本の天皇家(朝廷)=京都や、将軍=江戸のように、一つの都市に人を集めていたのではなく、

三十年戦争が終わった後に、ドイツ地方各地には諸侯が分立し、自由都市や小国が独立国としての権威を獲得した。(諸侯は日本で言えば、大名に近いかも)

というように、現在のドイツの土地にいくつもの、諸侯が存在していたことからこういうことになっているのだと思う。

ドイツが一つの国家を形成したのはフランスよりも遅い理由はそういうことではないだろうか。パリの場合は、中心部に人とモノが集まり、郊外は田園という、日本の大都市と似ているのとは対照的な気もする。

けれども、このように都市がいくつも離れた集合体であっても、たとえば極端な話、アプリでメル友(男探しw)なんかした場合、ベルリンよりも狭い範囲に人口の多いライン・ルールのほうが、気の合った友達が見つかる可能性は高くなるよね。


Reference Site
https://en.wikipedia.org/wiki/Rhine-Ruhr

 

4位 パリ

都市圏人口 1240万人
面積 17,174 km2

ヨーロッパの中心部では最大の都市圏。面積がロンドンの都市圏に比べるとデカいのは今回初めて気づいた。つまり、パリは中心部だけ人が多く、全体的に考えるとものすごく田舎というふうにも考えることができる。(東京を知っているフランス人が、パリは何もないと皆口をそろえて言うのはそのためだろう)

「パリの20区=東京7区の広さしかない。どっちが国際都市で、都会?徹底調査してみた!」

少なくても、関東、関西に住んでいるものからするとパリは少し物足りないのかもしれない。名古屋の都市圏人口が、576万人(2,791 km2)だということを考えれば、名古屋とパリってあまり変わらないのではないか。とも思える。

「釜山と福岡、大阪、名古屋、シカゴだったら、どれが大都会ですか?」

とはいっても、パリは観光客もものすごく多く、市の中心部は人口密度も高く、国際機関も多く人種も多様なので、パリと名古屋を比較するのはナンセンスである…。

 

3位 ロンドン

都市圏人口 1404万人
面積 8,382 km2

まずロンドン市の人口は、880万人(1,572 km2)だけれども、上の地図のように高速道路が囲むエリアまで広げると、1404万人(8,382 km2)になる。

よく話題になるモスクワがヨーロッパで最大の都市圏人口を誇る!というものがあるけれども、実際にロンドンのほうがモスクワ都市圏よりも狭い範囲に多くの人がいるため、ロンドンがヨーロッパ一の大都市圏とも言えそうだ。

とはいっても、このランキングでは紛らわしいので、人口順位に留めておく。また、ヨーロッパにイスタンブールを加えた場合、人口規模ではイスタンブールのほうが大都会というふうにも思える。

Reference Site
https://en.wikipedia.org/wiki/London

 

2位 イスタンブール

都市圏人口 1502万人
面積 5,343 km2

中東にも分類されるトルコだけれども、イスタンブール側はヨーロッパである。また、EUに加盟はしていないものの、日本が拒否されたビルダーバーグ会議の開催国にもなっていることから、トルコはヨーロッパというふうに考えて自然だというのが私の意見。(ま、微妙なところだけどね…)

「日本人の参加が拒否された裏のサミット「ビルダーバーグ会議」と、「三極委員会」の違い」

ちなみに、イスタンブールの最新のドローン映像をみると、モスクワと同様、かなりイスタンブールに対するイメージが変わってしまう。

とにかく海が綺麗。また大都会だ…。

 

1位 モスクワ

都市圏人口 1911万人
面積 48,411 km2

モスクワ都市圏は、モスクワ市(1250万人)とそれを囲むようにあるモスクワ州(661万)を合計した考え方だ。

面積はものすごく広くなり、モスクワ市(2,511 km2)+モスクワ州(4万5900 km2)=48,411 km2 にもなる。九州の面積(3万6750 km²)よりも大きく、モスクワがヨーロッパ最大の都市圏と言われているけれども、その分面積が大きいことも判明した。

つまりモスクワは大きい田舎とも言うことができそうだ。けれども、モスクワは、ドイツにあるような都市圏とは違い、パリやロンドンのように中心部に繁華街があり、郊外の衛星都市が中心部に吸い込まれるような形になっている。また北ヨーロッパ最大の都市であり、世界レベルの大都市であることは間違いない。

もう一つ、ロンドン市とモスクワ市の人口密度はそれほど変わらないとも言えるので、モスクワはロンドンのライバルになり得るかもしれない。→都会度的な意味で

上の動画は、私が個人的にいつも見てしまっているもので、この雪景色に吸い込まれないものなどいないのではないか?というくらい美しいと感じる動画となっている。

ちなみに、黒人の憧れの地にもなっているモスクワ。→いろんな動画のコメントを翻訳していてなぜか黒人のモスクワ称賛!が多かったので…。( ´艸`)

このモスクワは、ヨーロッパでも堂々の第一位である。けれども、実際レベルでヨーロッパ最大の大都市圏はどこか?と聞かれれば、イスタンブールかもしれないと、個人的には思った。というのも、イスタンブールの面積がモスクワやロンドンよりも狭いからだ。

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