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2023年、カスピ海を渡らなかった(イラン行きを断念した)理由

2023年4月30日

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2023年、カスピ海を渡らなかった(イラン行きを断念した)理由

2023年4月30日

今年の目標の一つとしてイランに行く。というものがあったのだけれども、これを断念した。

一応一番イランから近いカザフの果て(つまりモンゴロイドの果て)であるアクタウにアパートを1週間借りたが、その環境の中でもやはり行く気になれなかった。それまで何年も多くの情報を集めていたのだけど、その時間も全て無駄だった。ということではもちろんない。

3年以上前からイランの事は調べてきたし、ありとあらゆるtwitterの個人体験も読んできた。そういうこともあって、行けなかったことが残念だったとか、そういうことではなく、より自分の中で今行くべきところ、行かなくてもいいところなどがうまく整理されたと言ってもいいかもしれない。

この記事ではなぜイランに行かなかったのか?や、イランにこだわっていた理由も含め今年の一部をうまく終了するために書いていきたいと思う。

 

①まず、イラン行きたかった理由

イランといえば多くの人がイメージするイランとか、テロ国家のようなイメージ。もちろん私にもそういうイメージはあり、良い面と悪い面がはっきりしている国だと思う。

よくイランは悪い国だと思っていたが、実際に旅行で行ったら親切にされたとか、確かに実際に行ったものはそう感じるが、やはり国のシステムには問題があると感じる。

さて、そんなイランは世界有数の文化大国というイメージが強い。ペルシア帝国というよりも、イランという場所で続いてきた文化が今も建築や国民性などに表れていることや、猫たんが多いことなど。

また2021年にロシアの6~7都市を2ヶ月半で回ってきたが、イランも大都市が多く、見どころも多く、私にとってイランはロシアに似ている部分があり、中国やロシア、インド、インドネシアのように大国的な意味でも関心が強い。

なのでまずこの国に行って後悔しないだろう。という気持ちは今も変わらないし、今後も行く可能性は全然ある。

文化・言語・料理・建築。どれも魅力的。

20代の頃先進国を中心にかなりみてきたのでやはり裏の世界というか、そういう意味で、イラン=私にとってブランドみたいなもの。という部分がある。

 

②今年(2023年)、行かないと決めた理由

一時帰国の日本を出た時点で、イランとタジキスタンは行っておきたい。それで今年は国を訪れたという意味では成功としよう。と思っていた。

私は最初にウズベキスタンのフェルガナ(かなり気に入った)を視察した後、タジキスタンに1ヶ月いったのだけれども、タジキスタンが自分にとっての期待以上の居心地の良さだったので、まず、そこで色々考えることとなる。

「「ドゥシャンベ」で1ヶ月間のノマド生活。物価や、交通、家賃、見どころ、借りたアパートなど」

タジキスタンの言語はタジク語であり、近代に入るまでタジク語というのはペルシア語(イランではなされているファールシー語の)の方言とされていたこともあり、言語的には同じ。つまりペルシア語を勉強したいなら別にタジキスタンでもよいよね?ということになった。

ペルシア語でかなりの受け答えができる時点でイランに行った方がいい。というのもあるが、それは言い訳であり、私自身、イランに行ってもイランを好きになれる自信がなかったからと言ってもいいかもしれない。

その理由は、まず特定の国々を除いて、モンゴロイド系の人たちがいない国は私には向いていない。というのが一つあるかもしれない。→典型例で言うと、中東、インド、北アフリカ、トルコなど。これらの国々の場合、質の高いアパートが借りれる条件があれば長期滞在も可能だけれども、レベルの低い住居環境だった場合、自分に過度なストレスがかかると今までの経験から感じた。

 

③面倒な手続き・懸念事項

イランで1ヶ月くらい滞在しようと思えば色々な障壁がある。それは以下にまとめた。

・アライバルビザであっても、事前に大使館から番号をもらわなければならない。→バクーやエレバンなどのイラン大使館に行けばビザ自体、3日で取得できるが、日本で先にとったほうが一番安全。

・スタンプを押されるとアメリカに行く際、観光ビザを取らなければならない。→スタンプは押されないが、リスクも高い。

・インターネット規制→VPNを使わないと使えないものもあり、使えないVPNもある。→大手VPNでも弾かれる場合があり、レッスンができなくなる。

・クレジットカードが使えないのでドルを持っていく必要がある。→すでに準備済だが、お金の計算もいちいち面倒で、大きい荷物を持ちながらお金のこともあれこれ考えるのが嫌。

・アパートを短期で借りると高い。→外国人向けのイランのアパートは1ヶ月20万円するものも平気で存在。けれども、Googleマップでホステルを検索すると、ホステルの個室で1日3000円以下があるということを知ったので回避できる。

・北東アジア系はジロジロみられる。→時にはアジア人差別的な事をする人もいる。南米人とイラン人はやたらと中国人!と下にみる。とも言われている。

・テヘラン行きの都市であるバクー、アンカラ、イスタンブール、ドバイなどに興味がない。→そこに大きい荷物を置いて数日間のイラン旅行に行こうと思ったが、そこにいくだけでも時間・お金の無駄と感じてしまう。

・私の場合、髪の毛が長いので、女に間違わられ、ヒジャブかぶれ!と言われないか少々不安。→ニット帽でも被れば大丈夫そうだが、夏場は暑くて大変。。

など、ここまでしていく必要はあるか?となってしまった。

これらを全てクリアしようと思ったし、しようと思えば普通にできるのだけど、入国や滞在のあれこれで色々不安だったタジキスタンに1ヶ月もアパート生活できたことで、イランの分までタジキスタンのことをもっと知るために時間もお金も使えばいいかなという気持ちに変わった。

 

④アラビア語やペルシア語は好きだが、中東はまだ好きじゃない

アラビア語やペルシア語の勉強は好きなのだけど、同時にロシア語圏の冷たさ、というか人との距離を離してある程度察してくれる文化、つまり放っておいてくれる感覚に慣れてしまうと、どうしても中東のガンガンこっちに入ってくる感覚が私には合わない。

男だか女だかわからない外見の私はエジプトやドバイではセクハラに遭い(完全にナメられている証拠)、しかも安全で綺麗なアパートは需要と供給のせいか、かなり高額。

なので、私はエジプトやインドに観光で行くのは好きなのだけどアパートを借りて仕事しながら暮らすというのは少し難しい。

それはやはり東欧やロシア語圏のようなより快適な環境を知ってしまったからだ。

イランはインドとエジプトの間にあり、またタジキスタンともペルシア圏ということで同じ。タジキスタンでさえ、私のことをジロジロみてくる人の割合が他の国よりも高かったので、イランはもっとすごいのだろう。と想像。

おそらく、長く入れても1週間くらいではないだろうか?それならペルシア語がかなり上達した段階で行った方が、言語で楽しむという意味で、滞在できる1ヶ月まるまるいれるのではないか?と思った。

 

⑤クタイシ行きの航空券をキャンセル

3月頃ドゥシャンベにいた時に、クタイシ(ジョージア国)行きの航空券を買った。クタイシに1ヶ月くらいアパートを借りてその後テヘラン行き。にしようかと思ったからだ。

けれども、現実的に考えた場合、ジョージアはもう数ヶ月もいた土地だし便利なのはいいが、ジョージア自体に興味があるわけでもなく、つまらないのでは?という疑問だったり、私にはやはり中東・コーカサスはあまり興味がないのかな?という気持ちも出てきて航空券をキャンセル。→2万円の損失で済んだ。

その分、カザフスタンのアスタナ、アクタウの視察に行ってきた。

そしてやはりアスタナが気に入ってしまい、そっちのほうに時間を使いたい。ということになった。

もともと今年の夏(7,8月の一番良い次期)はモンゴルに時間を使おうと思っていたこともあり、モンゴル行きの前にはイランに行こうと思ったが、それが今回断念になった形だ。

 

⑥ペルシア語の学習につながる

今回のタジキスタン1ヶ月滞在で、タジク語を通してペルシア語の強化に繋がった。毎回言っているのだけど、タジク語とファールシー語(ペルシア語)は方言レベルの違いのみで、むしろタジク語が本当のペルシア語とも言われている。その理由はファールシー語よりも昔の文法構造を維持しているからだとも言われている。

この学習が落ち着く2年後頃に、世界情勢が今と同じままであれば、イランに行くかもしれない。という結論に至った。

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