大国同士が断交する。
滅多に起きない事態になぜなったのか?おそらく、多くの日本人は中東とは、紛争のある小さな国がいくつも集まったエリアと思っているので、あまりなんとも思わないと思うのですが、よく地図を見てください。
中東の中でも、人口的にも面積的にもTOPレベルの国家同士が断交する。ということは、かなり国際情勢にインパクトを与えます。
(オレンジがサウジアラビア。緑がイラン)
1979年11月にイランアメリカ大使館人質事件が起きて、イランに存在していた米国による傀儡王室がなくなり、イラン・イスラム共和国が成立して以来、長い間、イランは国際社会で目立たないようにしていました。米国に逆らったことで、このイランという大国は孤立されていきます。そして、悪者にされ続けてきました。
ちなみにこの記事では割愛しますが、今では想像しがたいかもしれませんが、米国とイランは以前はとても仲良し国家だったのです。イランには王室がありました。
それは米国が、うまくイランの石油という国益を動かすために作った物ですが…。長い間イランは米国の文化を押し付けられ、その反動で今のような国家になっています。
一方、イランとライバル関係になれるサウジアラビアには、北朝鮮の後ろ盾が中国であるように、アメリカという最強の後ろ盾ができました。
そして、サウジアラビアという国はこの中東という地区でリーダー的存在として君臨し続けています。
そのサウジアラビアの子供たちともいえる、超高層ビルが乱立するドバイで有名なアラブ首長国連邦をはじめ、オマーン、カタール、バーレーン、クウェートという小国の集まりはサウジアラビアが主導する湾岸協力会議のメンバーです。湾岸協力会議
もちろん湾岸協力会議エリアには米軍基地もあります。

(この地図は湾岸諸国の国々を表している地図です)
実際に、バーレーンはサウジアラビアと同様、イランと断交しました。アラブ首長国連邦とクウェートも、大使を召還。みんな本当に仲良しですね。
これらの国々は、サウジアラビアを含めなければ、おそらく日本よりも一人当たりの所得が高いエリアです。
カタールなんて、日本人の二倍以上は所得があるはずです。この湾岸諸国のエリアには、西洋人が投資した建物がいくつもあり、中東の中の欧米ともいえるかもしれません。というように、地理的な今回の対立をなんとなくわかっていただけたと思います。
以下の地図は、イスラム教の分布図です。そして、緑色が濃い部分はスンナ派(スンニ派)、茶色い部分はシーア派。
これら二つの派にどういう特徴があるということは割愛します。スンナ派がイスラム教徒の90%、シーア派が10%と、シーア派だけが極端に少ないという大まかな知識でまずいいでしょう。

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経済制裁されているが、イランは他の中東諸国を見下げているのが本音です。
つまりイラン人はアラブ人をアフリカ人と同じように見てる感じがあり、またイランはアラビア半島の人たちとは違うと思っています。なぜなら、イランはペルシア語を話す国だからです。また文明的にも現在のイランがあるエリアは重要な位置であり、彼ら自身もペルシア人ということに対して大変強い誇りを持っています。
これは中国と日本における、日本人は中国人とは違いますよ?と国際社会にアピールしている感じにとても似ています。日本人も私たちはアジア人と違うモーン!って思っていますよね?

それくらいサウジアラビアは焦っているのです。特に国王。この国王はアドラブ国王がお亡くなりになってから、最近国王になったばかりです。アドラブ国王も現在の国王もサウジアラビアを作り上げた初代国王であるサウジアラビア国王の息子ですが、まだ国王になって数年しか立っていない国王です。
サウジアラビアという国はサウジアラビア人という意識を持つ国民はほとんどいなく、王室が、スンナ派とシーア派の住民をうまく仲介して成り立っている国です。なので、経済が悪くなると、国民が王室を責めるようになるわけです。サウジアラビアにはスンナ派がとても多いので、シーア派なの代表的存在の人を処刑することで、スンナ派住民を和らげる効果もありますが、今回の処刑の意図は、それだけではないと思います。
一部では、サウジアラビアが今回のような茶番劇をしたのは、この地域に緊張をもたらし原油価格をあげることだという論調もありますが、イランと断交しても、原油価格はあまり上がりませんでした。それよりも、最近イランを特別扱いしているヨーロッパや米国に、
この記事はアラビア語を学んでこの地域に関心を持った私が今頭の中である情報を書いたものです。なので、実際の状況とは違うかもしれません。今後もっと整理をし、よい記事が書けるように頑張っていきたいと思っています。
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