ペルシア語・ヒンディー語

ヒンディー語(ウルドゥー語)を勉強するメリットと需要、将来性

2016年11月25日

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ヒンディー語(ウルドゥー語)を勉強するメリットと需要、将来性

2016年11月25日

ヒンディー語。まだまだ日本では学ばれていない言語である。以前、受験者別に書いた日本で人気な外国語にすら入っていない、話者人口は多いのに日本人で話せる人がほとんどいないレア言語である。


「受験者数を比較。英語、フランス語、中国語、韓国語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、アラビア語」


簡単に言えば、今のところアラビア語よりも学ばれていない言語である。そして、インドに行く日本人は増えているが、その多くが英語レベルもそれほど高くはないため、どうしても英語学習に集中してしまう傾向がある。


つまり、この現状からも分かるようにヒンディー語が良いレベルで話せる人はそれほどいない。もちろんインド好きでヒンディー語を話せる人もいるが、日本人の中にそれほど多いわけではない。


つまり職を得る意味でのメリットはほとんどないが、人生を豊かにする意味で、かなりのメリットがあるので、この記事ではその部分について触れていこうと思う。


※タミル語とベンガル語を勉強するメリットは記事は以下( *´艸`)何かしらのモチベーション維持に役立てればと思う。

「タミル語・ベンガル語を勉強するメリットと将来性」

 

①ヒンドゥー語人口(2050年)

インドは13億人以上の人口を抱え、しかも公用語がヒンディー語ではあるが、ヨーロッパ以上に多様な国なので、地域によって言語が違う。それでも英語とともに、インドをまとめ上げる公用語で一番優位な言語の地位を得ている。

そのため、以下の写真のように、ヒンディー語が話されているのは、インド北部のデリーを中心とした広大なエリアだ。

つまりデリーというインドの首都を中心としたエリアに一つの文化圏ができあがっていて、人口は2億5千万人以上!(インドネシアの人口に匹敵


しかもちょっとしたトリビアなのだけど、ニュージーランドの近くにあるインドから遠く離れたフィジーでもヒンディー語は公用語。また意外なのはアフリカのマダガスカルの近くにあるモーリシャスという国の近くでも広く話されている。(理由はインド系が人口の大半)


これは以前以下の記事でもいかに紹介した。インド人がアフリカ大陸や太平洋諸島でどれだけ影の影響力を持っているのかが分かる数字。


「「ジュガール」で豊かに?世界に散らばり、一部の国を支配するインド人(印僑)が多い国 TOP25」

さて、13億人のインド人口のうち2.5億人ほどしかいないようにもおもえるが、中国における普通語のように、若い人であればどの州でもヒンディー語が通じやすく、共通語になっているので、インド国内でもヒンディー語ができるというのはやはり強みである。

更に以下の図を見てほしい。
washingtonpost (ワシントンポスト)によると、将来の言語として、ヒンディー語が期待されていることが分かる。この図だけでは何が言いたいのか分からないかもしれない。つまり現在の2.5億人からかなり拡大して、4倍くらいの6億人に増えているということ。ここで強調したいのは、中国語は日本人の中でもできる人が多い(同じ漢字を使っている)ことや中国人の中にも日本語を操る人が多い中、中国語に次ぐ話者数であるヒンディー語(第一言語として話すものは2050年時点で、日本語の約4倍の人口になる可能性が強い)ができるだけで、色々な可能性が広がってくるということなのである。

②アラビア語の共通点があって面白い

私はアラビア語を先に始めた。というのも以下でも紹介した通り、アラビア語を勉強すると、スワヒリ語、ペルシア語、スペイン語、ヒンディー語、インドネシア語、ウルドゥー語などさまざまな言語に入りやすくなるからだ。


「アラビア語を勉強するメリット、需要、重要性」


その理由はこれらの言語はアラビア語の単語を借用している場合が非常に大きいからである。


ヒンディー語を勉強しているとアラビア語と同じ単語をいくつも発見するのはそのためで、たとえヒンディー語(インド・ヨーロッパ語族)とアラビア語()の語族が違ったとしても、このように単語の類似などにより人の移動を感じ取ることもできる。



③インフルエンサーとして

日本人であればヒンディー語が少し話せるだけでも、インド人からビックリされる。しかもあちら側もどんどん話してくれる。これはインドに行ったことのある人でヒンディー語を少し話したことのある人は知っている感覚なのだけど、普段外国で英語話しても誰からも喜ばれないのに対して、ヒンディー語は話すだけで喜ぶ言語。とでも言えるようなくらい歓迎されるので、特に日本人女子はヒンディー語にハマりやすいと思っている。


さて、そんな中、私のtwitterでもお友達になっているKOH in インドさんは、インド人にヒンディー語で話しかけるというドッキリ動画で一つの動画につき300万再生くらい飛ばしている。

これは日本のチャンネルで、インドのチャンネルも別にあるようなので、そう考えただけでも凄い。

つまりアフリカ大陸の数分の一しかない面積のインドの人口13億人は、アフリカの人口とほぼ同じと言われているように、今後ヒンディー語が良いレベルで使えると、新しい集客ビジネスが成り立つ可能性は十分ある。


やはりそれがインフルエンサーとして。というのが一番の近道だと感じている。インドが好きで、ヒンディー語を続ける意思のある人にはこういう美味しい部分が付随してくるのだろうね…。

私は、インドの歌が好きなので、twitterで恥さらしすることから始めましたよん。今ではヒンディー語の初級を生徒さんにも教えてる。

ご興味があれば、メールを→multilingirl@gmail.com


④発想を持って将来を見据える

例えインドでは英語が優位であってもヒンズー教がインドで最高の地位を得ている限り、インド国内でもヒンディー語ができないと恥ずかしい社会になりつつある。

もちろん英語の優位性は今後も変わらない。南部のタミル語圏の人たちはヒンディー語よりも、英語をしっかり勉強するし、彼らは少なからず、本来インドにいたタミル語話者の我々を、お前らヒンディー語話者(アーリヤ人)が南部に追いやった。というちょっとした恨みを持っているかもしれない。

とはいってもタミル語圏でもヒンディー語ができないと恥ずかしい社会は必ず訪れる。

なのでヒンディー語は、話者は多いけど価値のない言語とか、日本では文字が難しかったりインドでは英語が通じるからいいじゃん!みたいな感じで、敬遠するよりも、この言語を勉強して得られるメリットは何なのか深く考え、少子高齢化社会に向けて若年人口が多いこの言語に目をつけてみるのもあアリ。

優秀なインド人が海外から帰国してインドが今後更に発展する可能性もあるし、第一言語話者としては、中国語(普通語)に次ぎ、6億人の第2位にくるというワシントンポストの記事からも分かるように、今から手を付けていて決して損はない。( *´艸`)
少なくても今よりもヒンディー語の知名度、国際的な地位は上がることは間違いないと感じる。


また、他の日本人には持っていないヒンディー語を学ぶということは、普通の日本人が体験できないこと、出会えないものを手に入れることであり、インフルエンサーになれる可能性のみならず、自分を他の日本人と差別化するブランディング化にも役立つ。

⑤ヒンディー語がパキスタンでも通じる理由

ヒンディー語とウルドゥー語は、もともと同じ言語であって、これら二つを1つにしてヒンドゥスターニー語と言う。

会話をしてみるとほとんど同じなのに、パキスタンではアラビア文字、インドではデーヴァナーガリー文字を使用しているので、パキスタンとインドでは両国の文字をローマ字に変えてお互いがインターネット上でも簡単に意思疎通できるようにするべきだという主張もあるくらい。

つまり、ヒンディー語を覚えるということは、インド(13憶人)に加えてパキスタン(2億人)にも繋がりを構築できる人材になれるということ。

またこのパキスタンという国は将来伸びる可能性があるとも囁かれていて、実際に中国からパキスタンまでバスで行けるということはあまり知られていない。

中国は現在、パキスタンのグワダル港を租借していて、中国が簡単にパキスタンまで陸路でアクセスできるようになっている。


実質上、中国には上海・香港などの東海岸のほかに、西海岸(パキスタンの意味)があり、パキスタンの国際的な地位も今後少しずつあがていく可能性がある。というのが私の見方。


つまりここで強調したいことは、ヒンディー語はインドだけでなく、2億人市場のウルドゥー語とも強く関わっているという事。

ちなみにドバイは外国人が働きやすい環境なので、日本人の求人も応募している。是非、ドバイ移住を検討してみて(狭くて安い部屋でいいなら)


「日本人は優遇?英語のできない日本人がドバイで仕事を見つける方法」

⑥日本人が大好きな「ドバイ」の多数派言語はヒンディー語

ドバイと言えば中東であり、アラブ圏である。なのでアラビア語のイメージのほうが強いかもしれないが、実際に2020年1月に1週間ほどドバイ滞在したときに感じたのは、電車に乗ってもショッピングモールでもアラビア語よりもヒンディー語のほうが聞こえてくるという事。

理由は簡単で以下のように、アラブ首長国連邦にアラブ人(市民権を持った人)は全体の5分の1しかいなく、それ以外は海外からの労働者だからだ。その外国人の中でもインド人が突出して多い。

順位国名・都市名インド系割合
1ドバイ66%
2クウェート25%
3アラブ首長国連邦23%
4カタール16%

アラブ首長国連邦全体だと915万人中、インド人は260万人でインド人率は23%であるが、その中のドバイ首長国だけを見ると、66%(インド人51%+パキスタン人16%)という数字。ドバイに限ってはもうインドである。

またクウェート(382万人中、68万人=25%)やカタール(257万人中、65万人=16%)も多い。

つまりここで強調したいことは、ヒンディー語を覚えることは、インド・パキスタン。ちょっと欲張って中東の湾岸諸国、ドバイ、アブダビ、カタールなど、ぜーんぶ頂けるということ。( ゚Д゚)

 

⑦デーヴァナーガリー文字だけでも覚える

英語の勉強で余裕がない人は、デーヴァナーガリー文字の読み方だけでもやってみてはいかがだろう。文字だけだと英語を勉強していても気休め程度に清書してみたりするアクテビティとして楽しむこともできる。

書いて覚えるヒンディー語の文字―デーヴァナーガリは値段は高いが、レビューの満足度が一番高かった良書。

またインドの文字とヒンディー語 (世界の文字と言葉入門)という本もお勧め。いずれにしても、ヒンディー語は需要がないため?か値段が高く設定されているのがポイント。

いずれにしてもヒンディー語をやらなくても、ハングルのように文字だけ覚えれば、ひらがな・カタカナ感覚で読めるようになり、その後学習が進みやすくなるのでお勧め。

また器用な人は、https://en.wikipedia.org/wiki/Devanagari から、ヒンディー語のアルファベットを見つけて、ノートにまとめていくというのもアリ。

ちなみに、デーヴァナーガリ―文字を覚えると、ネパール語も読めるようになる。

⑧簡単なフレーズを覚えてみる

私がどの言語でも先に勝ってしまうのが、このシリーズ。視覚的に非常に記憶に残りやすく、どこに何が書いてあるのかも覚えやすいので重宝している。
インド旅行というか旅に出るという感じで行くなら必須の本だと思っている。さて、本を買わなくてもヒンディー語のフレーズに慣れてみたいという人は以下の記事も作ったので参考にして欲しい。

⑨チベット人との交流にヒンディー語は使える

2022年、私はチベット人が多く暮らすダラムサラに2週間ほど行ってきた。その際、英語が通じない場合でもヒンディー語なら通じるという場面に多く出会し、また英語を使うよりもヒンディー語を使った方が打ち解ける感じがあったことから、チベット語を強化するよりもヒンディー語をさらに強化しようという決心に至った。英語優位社会だけれども、確実にヒンディー語の地位は上がっているとも感じ、今後も投資していきたいと思っている。

 

⑩最後に

2023年7月現在の世界情勢を見ていると、モディ首相がアメリカに行ったり、日本の天皇がインドネシアに行ったりなど、中国に依存しない流れが作られている感があり、またどの世界の企業のトップにもインド人が台頭。

イギリスの首相、アメリカのTOP企業のCEOなど、今やインド人抜きでは世界は回らない。明らかに2016年にこの記事を初めて書いた時よりもヒンディー語の権威が高まっていると感じるのは私だけではないと思う。

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