ノマド視察・ノマド滞在記

河南省最大の反日都市「鄭州」に1週間滞在して感じた10のコト

2019年7月19日

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河南省最大の反日都市「鄭州」に1週間滞在して感じた10のコト

2019年7月19日

現在「鄭州」という都市に来ている。日本ではほとんど知られていないこの都市の人口は、1020万人(2018年)。とはいってもその分、面積も広いのだけどね…。

私は2009年の冬、上海に3ヶ月滞在していた時に図書館で見た新都市計画の写真でこの鄭州の存在を知った。それからずっと行きたいと思っていたけれども、なかなか行く機会がなかった。

けれども7月後半から韓国→カザフスタンに移動することになったのでせっかくだから去年心地よかった山東省の済南に1週間ほど寄って、鄭州→ウルムチ→アルマトイという感じでカザフスタンに行こうということになった。なので、済南から高鉄で4時間もかけてやってきた。

鄭州について一番最初に思ったのは「こんな場所にも大都市があったのだね…」ということ。地図から見下ろす世界とは違い、中国を回っているとどこにでも大阪くらいの規模の街があることに驚かされる…( ゚Д゚)/

でこの街では、山東省と同様、私をじろっと見てくる男性が多い。女性はじろっと見てこないのだが、男性は不思議な顔で見つめてくる。

その理由はやはり私のように目が二重でちょっと中性的な顔をした男は中国北方エリアでは非常に珍しいからだろう。タクシーのおっちゃんにも、「オメエ、姉さんかよ」と言われてしまったぜぃ…。

でも中国南部でもやはり明らかに私の顔は中国人とは違っていた。日本では中国人っぽいって言われる私もやはり日本人のハプロが入っているからか、中国では異国人に見えるのだろうね…。('ω')ノ

以下で検査したけど、私は思った通り北方系と南方系のハーフだった…w

「あなたは、韓国系?東南アジア系?祖先(ハプログループ)を知るための遺伝子検査「ジーンライフ」製品の詳細を調べてみた」

※上海の図書館でみた印象的な新都心の写真。(当時は青写真だったけど今はもう完成している)

さて、この記事ではそんな鄭州について私が感じたままの部分を報告していきたいと思う。詳細は以下に書いていくが、まず覚えておいてほしいのは、鄭州を中心とした河南って誰も聞いたことがない、または印象に残らないと思うのだけど、ここには約1億人が暮らし、1人当たりのGDPはセルビアと同様。

また、河南省だけでベルギーと同じGDP。なので、いかに中国がいくかの国の集合体ということかを理解してほしいのね…。

「中国(省・都市)と世界(国・都市)の1人当たりのGDPを比較して明らかになった事実 TOP31」

ではでは以下書いていくね。

 

①中華民族発祥の地「中原」が鄭州

中国は何度も王朝が変わってそのたびに時代が変わっているが、かつてこの場所を都にした王朝は結構多い。

元代以前には多くの王朝がこの地を都とし、商丘、開封、洛陽、鄭州等多くの有名な古都が存在するのが「鄭州」の特徴。なので、中国八大古都にも数えられる。

また、黄河文明の発祥の地であり、中原と呼ばれる鄭州を中心とした広範囲なエリアは、中華民族の発祥とまで言われている。

これだけでも、中国人に説明してみると喜ばれるかもよ?中国のことよく知ってるんだね!ってw

https://www.excite.co.jp/news/article/Diamond_59354/

 

②地下鉄は3路線以上もある…が、

上の写真は、私が撮ったもの。2019年7月現在。で以下は、それに加えて2本の路線が2020年以降追加されるみたい。交通インフラのスピードが速すぎる…。

信じられる?こんな都市が、普通に中国にはいっぱいあるっていう現実…

私がこの街に来て驚いているのは、こんな知名度が低い都市でも、既に地下鉄が3路線以上あるということだ。特に大江戸線のような環状線があったのには驚いた。

私がよく訪れる山東省の済南には2019年現在まだ地下鉄は1号線しかなく、鄭州のほうがインフラでは進んでいるはずなのに、なぜか鄭州のほうが済南よりも人間開発指数が数年遅れている印象を受けた。

その私が実際に感じた印象を再度調べるために、以前HDIの記事を書いたので、もう一度読み返してみると、やはり人間開発指数では、山東省(0.769)=キューバと同等で、河南省(0.727)=フィジーと同等となっていた。

「日本は何位?世界の「素養・素質」が高い国家 TOP10 と、中国国内の TOP26(HDI順位、一人当たりのGDP付き)【中国の反応」

なぜか地下鉄が1本しかない済南よりも、鄭州人の民度は低いように思えた。民度と言うと少し言い方は悪いが…。これは言葉にできないものであり、来てみないと分からない感覚。

民度というよりも、鄭州のほうが人々に田舎臭さを感じる。韓国で言えば大邱みたいな、そういう保守的なオーラというか、中国の中でも取り残された大きい田舎みたいな、そういうイメージかな…。

特に、沿岸部の大都市には女性チックな男子も多いが、やはりどの国も内陸に行くと、男らしさ、素朴さを演出しているような気がした。特に何も考えていなさそうな人が多い印象を受けた。

やる気のないものが北京や上海に行けず、取り残されたそんな感じ…。

 

③洛陽と開封に囲まれていて、飽きない

www.m.kfwhw.net/nd.jsp?id=629

鄭州を観光するべき理由の中でも洛陽の存在は大きい。現在の京都市の「左京=洛陽、右京=長安」説が鎌倉末期に書かれた「拾芥抄」によってあるが、鄭州は他の大都市から離れており、中原の中心であるだけでなく、洛陽開封といったかつての都に囲まれる形で存在している。なので、歴史好きの人には、楽しめる。

しかも何と言っても、鄭州からバスで1時間ほどの場所(洛陽と鄭州の間)に少林寺がある。ここは登封市といい、中国の歴史でも非常に重要な場所の一つだ。

ちなみに上の写真は、開封市の中心部。最近、こういった観光名所はゴミが全く落ちていなく、道路も整備されていてその部分だけ先進国の街のようになっているのも特徴的。

まだまだ鄭州には、黄河・少林寺・二七広場、少林寺、龍門石窟とある。

 

④河南省人の顔と、山東省人の顔

一つだけ私が鄭州に拘ったのには理由があった。正直レベルで話すと山東省の男性と河南省の男性の顔ってどう違うのか。というのに興味があった。

そう。私は男チェックに鄭州に来たw→少林寺や、洛陽、開封はあまり興味がありまへん( ゚Д゚)//

で、結論。やはりアプリで男性の平均顔を予めチェックしていた通り、鄭州にいる男性よりも山東省にいる男性のほうが私にとってはタイプだということが判明。

なぜ地理的にここまで近いのに平均顔が若干変わって、しかも私のストライクゾーンの範囲から外れてしまうのだろうか。ということを考えられずにはいられなかった。

身長に関して言えば若干低くなっているということを感じた。山東省の男性平均身長は、173.6cmなのに対して、河南省は171cmとなっている。

中国各省男女平均身高表

特に若い人が集まる場所に行けば背が高い人が多いということを感じる。山東省は顔が韓国のように四角い感じがするのに対して、河南省は丸っこい、日本人がイメージする中国人のような感じがした。

また河南省はギリギリ北方エリアなのに、どこからやってきたのか分からない種類の濃い系の人も結構いるのが特徴的。実際に来てみてそれを感じたので、ますますこれらのエリアの顔の違いに興味を持ってきた…。

以下とは違うと思うが、何かアラブ?新疆ウイグル自治区系?も感じるようなものがある。つまりモンゴロイドなのだけど、そうじゃないような感じもする人がチラホラいるみたいな。

また夏に来たからなのか、男性はほぼ日焼けしている…。

「中国に「失われたローマ軍団」と呼ばれる青い目の人たちや、ブロンドの少数民族がいる理由と、中国で白人がそれほどモテない理由【海外の反応】」

⑤誰も知らない街だからこそ楽しい

中国は日本の隣にあっても、その多くが上海エリア、香港エリア、北京エリア、東北エリアと、これだけでも90%以上が占めると思う。

その中で内陸部と言えば、重慶や成都、西安に行くものが多いだろう。またチベットやウイグルといった変わったところを目指す人も多いかもしれない。

けど鄭州という場所に行こうと思う日本人はまずいない。少林寺に行きたい人か、洛陽に行きたい人、相当の中国マニアじゃないと訪れない街だと思う。

なので当然、鄭州人は日本人がこの街に来るとは思わないので、日本人とすら思われないので街に溶け込むこともできる。

私のように日本人が比較的少なく、日本人に知られていない場所で過ごすことが好きな人にとっては絶好の場所となるかもね。

 

⑥物価

1人当たりのGDPはタイと同等程度であり、物価が非常に安いのが特徴。私はタクシー使いまくり。またAirbnbで部屋を借りると、2000円もあればかなり高級な部類のマンション(部屋は狭いけど)を借りることもできる。

街の中心部に輸入品を扱っているスーパーがあって、そこに中国で生産したものではあるが、濃いお~いお茶などもあったのでいくつか購入しておいたw→96円程度。

 

⑦英語や日本語は完全に通じない・日本に無関心

山東省もそうだが、河南省も英語は全く通じない。ま、中国ってだいたいどこも通じないけどね…。北京や東北(旧満州)であれば、たまに日本語が話せる人もいるけれども、ここではそれも絶対に通じない。つまり、ここに来たからには筆談か、中国語を嫌でも覚えなければならないことになる( ゚Д゚)//

特に、若者は翻訳機を取り出して対応する。これは数十年前には感がられなかった態度であり、私としては筆談とか、話とかで対応してほしいのに、翻訳機を取り出されて喋って!と言われると、実際に交流している気がしないのでなんだか物寂しい。

日本でも翻訳機で対応する人が多くなってきているが、これじゃやはり楽しくないよね(;´Д`)

また、高層ビルがいっぱい建って近代化しているように見えても、人間の中身は全然変わっていないように思える鄭州。中国のどこの都市もそうだが、やはり外観だけは立派に見えてもまだ人々のHDI(人間開発指数)が大都市以外、比較的低いと感じた。

「日本は何位?世界の「素養・素質」が高い国家 TOP10 と、中国国内の TOP26(HDI順位、一人当たりのGDP付き)【中国の反応】」

また、鄭州という内陸部の都市に来てみて、やはり上海や、満州(日本語学習者が多い)、山東省(韓国・日本に関心持つものが多い)などと比べ、日本に関心のある人が少ない印象を受けた。

日本に関心がないというよりは、中国沿岸部の開けている都市に比べ、日本好き=悪のイメージがまだ強いのではないか。

上海や満州(東北3省)なら日本人だと分かると物凄く親切にしてくれた経験を沢山したしね…。

で、調べてみると、やはり鄭州では2010年あたりに尖閣諸島の問題で暴動が起きていた中心都市の一つだった…( ゚Д゚)私の感じた空気、的中している…。

中国で反日デモ=日系スーパーや料理店に被害―英メディア(2010年10月)


就職説明会で日本語学習者に「出て行け」 中国スマホ大手シャオミ広報担当者、抗議受け謝罪(2017年)

これは非常に面白い。韓国でも下手に地方都市に行くよりもソウルや釜山のほうが日本人とわかると近づいてくるのでね…。

けどね、韓国人って言うと、「あ、そうなの」という反応の中国人が多いけど、「日本人」って言うと、言葉を失った態度を取る人が多い。

なんだろう、日本人が「アメリカ人」とか「東京出身」とか聞いた時にする反応に似た感じ。なので、日本人=おとなしくてすぐに騙せるという印象もありつつ、上の存在に見ている部分はある気がする。

 

⑧鄭州の経済

ここに住んでいるものが何を生業にしているのか。ということはこの場所を知る上で重要になってくる。

鄭州は物流ハブ都市と言われている。ドイツのハンブルクまでの鉄道が開通しており、鄭州の街全体が、交差点のように高速道路、東西南北行き来が容易になっている。

またどの都市からも離れており、鄭州=北京・上海・広州のように、そのエリアの中心都市となっている。鄭州は中原経済圏の中心地にあり、周辺には1億7900万人がくらしている。つまり、一つの国の首都とみてもいいかもしれない( ゚Д゚)・・→周辺って言っても、かなり広範囲のね。

主要産業が化学工業、非鉄金属工業、アパレルと鉄鋼産業ということもあってか、平日はスモッグに覆われていた…。私はここが一番良くない点だと思っている。

けれども鄭州の立地がまさに隠れ家的な場所にはちょうど良く、気に入ってしまった・・・( ゚Д゚)

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/3c2e79d35639c11e/20150068.pdf

 

⑨アスタナと同様に「鄭州」も日本人デザイナーが関わっている

鄭州の中心部は上の写真のように、かなり高層ビルもあるが街を歩くと田舎臭さがかなり残っているのでこのギャップが非常に魅力的だった。

で、今は郊外に新都心をいくつか作っていて、下の写真が少し郊外にある新都心。

真ん中に塔みたいなのがあり、それを囲むようにビルが円形になっている。また緑を調和させ、高速道路も複雑に入り込んでいる。

実はこれ日本人が設計したのだとさ…。以下引用文。

鄭州が日本にゆかりがあるのは、新都心(鄭東地区)の都市設計を建築家・黒川紀章が行なったからだ。黒川が提案したのは、中央に超高層のホテルを据え、円周に沿ってオフィスやアパート、公園などを配置し、人口150万の最先端都市をつくる斬新なプロジェクトだった。

というように、黒川さんと言えばアスタナ(カザフスタンの首都)の都市設計も手掛けているが、私が昔上海の図書館でみたこの写真はなんと日本人が設計していたのか…。ってことをこの記事を書いて初めて知った私だった…。('ω')ノ

 

⑩最後に…

私が鄭州を気に入った一番のポイントはこの街に残る田舎臭さ。そして、北方人の比率が多いがなんとなくどこから来たかわからない理解不明人種がいるのも面白い。

お店などは中国全土に展開するチェーン店が多いのでどこの都市とも変わらない。デパートもコンビニもね。

けどやはり1000万人以上の都市ながらも、外国人にはほとんど注目されないこの鄭州に、本当の中国らしさを私は感じてしまった。

一方で、西安とか重慶とかでもない中途半端な奥地に来てしまって、インドネシアのスラバヤにいたときと同じような、疎外感を感じるような気もする…。

P.S.

以下の日大学生の体験談はかなり楽しく読ませてもらった。鄭州の生活を知るには完璧な記事かも。

https://www.nihon-u.ac.jp/international/reports/chinese/zhengzhou_hayashi/

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