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グローバル・サウスの言語を習得する重要性が高まっている理由と、おすすめの言語 7選

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グローバル・サウスの言語を習得する重要性が高まっている理由と、おすすめの言語 7選

先日ツイートでグローバルサウスに触れた。そう今話題のグローバルサウスである。ウクライナ戦争や、米中経済戦争などを見てもわかるように今現在国際情勢の流れがかなり変わってきている。

依然として日本ではアメリカやヨーロッパをはじめ、隣の大国中国、厄介者の韓国(笑)、親日の台湾、そして安さと夏のバケーションとしての東南アジアくらいしか目がいかない。日本人の多くは外国語となると英語で手一杯であり、日本語や英語以外の第3の言語まで本気で取り組める人口はまだまだ少ないのが現状。

これはチャンスでもあるのだけど、それに気づいていない人も多い。→言語なんて翻訳機がやってくれるでしょう?的な思考の人が多いので・・(笑)

さて、今現在の私は30代半ばだが、そんな私でもここ20年ほどで日本の世界における相対的な地位は下がったと感じている。日本の地位はいろんな意味(経済は上がらなくても国際的な信用や評判)で上がっている部分もあるのだけど、日本の地位が下がったというより他のアジアの国々が豊かになったので相対的に下がったというほうが分かりやすいかもしれない。

アジアで日本だけが経済的に多くのパイを持っていた数十年前が異常だっただけ。

で、日本で人気のある外国語は以下、受験者数を見てもわかるように、西洋の言語と隣国の言語(中国語・韓国語)が上位を占めている。

「受験者数を比較。英語、フランス語、中国語、韓国語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、アラビア語」

けれども今や世界はものすごい激動の時代を迎えており、今回のウクライナとロシアの戦争でさえロシア側にノーが言えない国もかなり多く存在するのが現状だ。こういう先がわかりにくい時代だからこそもっと情報を吸収していかなければならないし、他国の文化を理解して先手を打っておくことも必要だと思う。

この記事は、そういうあまり聞いたこともない言語も学んでみたい。英語ではなく違う外国語を学んでみたい。という人にぴったりかもしれない。

 

グローバルサウスの定義

1980年代に敷かれたこの線は、ブラント・ライン(Brandt Line)という。当時、先進国といえば、欧米、ソ連、日本、オセアニア地域(オーストラリア、ニュージーランド)くらいなものだった。

この当時は、今でこそ日本人より一部給料が高い人も現れるような、韓国、シンガポール、台湾などもまさにグローバルサウス(発展途上国)であった。

そして現在は貧しい中央アジアの国々は当時ソ連だったため、北側(先進国)に入っている。

まさに1990年前後あたりは、アメリカと日本だけで世界の半分くらいのGDPだった時代でもある。

さて、新しいブラント・ラインでは、韓国、台湾、シンガポールはグローバルサウスから抜け出し、中央アジアなどはグローバルサウスに組み込まれている。実に面白い。そして、これらのグローバルサウスの面白い特徴は、旧植民地だったエリアが多いこともあってか、億単位の共通言語が多く存在することだ。

つまり、グローバルサウスは、まさにリングワ・フランカ(共通語)として、何億人もの人々が共通としている言語圏がいくつもあるのがポイントである。その中で代表的なのがスペイン語。かもしれない。

この記事では今後の世界を見越して、それぞれの言語の特徴を、ざっくり書いていきたいと思う。

 

提案1(スペイン語)=6億人

グローバルサウスの中で日本人にとって一番とっつきやすい言語がスペイン語である。英語が少しでも会話レベルできる人であればスペイン語は割と簡単に習得が可能。動詞の活用が複雑なので私はそのようなものは一番最後にしてしまいどんどん単語を覚えていってしまう。そしてまず文章を文脈を察しながら読めるようになることが重要。

日本からは遠い国で使われている言語であることや、やはりスペイン語よりもまずは英語が重要視される中で、この言語のモチベーションが高い人は限られてしまっているのが現状。

とはいってもスペイン語が好き。メキシコが好き。将来的にそちらに移住したいというきちんとした夢があるのであればチャレンジしてみる言語ではあると思う。やはり英語がまず優先されるが、アメリカでもスペイン語を使って交流することでかなり広がっていくので習得していて損ではない言語。

「スペイン語を勉強するメリット、需要、重要性」

とは言っても上の記事のように、メリット、メリットとか喧伝されているようなほど需要があるわけではなく、やはり好きな人が学んだ方が良い。というのが私の結論だ。実際に飽きる人も早い言語であるので注意。→それほど多くの人口と話せるわけではないので数字に惑わされない事!

「米国における「スペイン語差別」と、スペイン語学習における落とし穴」

 

提案2(アラビア語)= 3億人

私は現在、タジク語、ウズベク語、キルギス語などの勉強で中央アジアを回っているが、アラビア語学習は2015年から続けている上、コーチングとして何十人にも教えているのでアラビア語の単語は頭の中にかなりある状態。

その状態でイスラム教の国々の言語をやるとどうなるか。

一言で言えば簡単。になるのである。アラビア語のフスハーを勉強することはかなり多くの言語を習得できるポテンシャルがあるだけでなく、ひとくくりにされやすい欧米とは違う価値観のある国々を回って生活する土台ともなる。

まさに私がそのようにしてイスラム教の国々を回っている。私は強くお勧めしたい言語だが、アラビア語応募者の方にもいつも言っているが、そんな簡単に習得できる言語ではないし、苦痛と忍耐が伴う言語でもある。

とはいっても勉強した後に待っているのは、自分だけしか知らないみたこともない世界である。

実際に英語圏のサイトでも、話者人口の多さのみに注目するだけでなく、人があまり学びたがらない、かつ西洋諸国とは価値観が異なる言語を学んだ方が将来多くの面で有利になるだろう。と語られることが多い。

 

提案3(ヒンディー語)= 6億人

ヒンディー語の理解は、北インドで使われている他の数千万人言語の理解にも繋がり、ベンガル語(バングラ)、ウルドゥー語(パキスタン)などの言語にもつながっていくため、ヒンディー語の理解度が高くなった時、この言語の有用性はさらに広がる。という意味では同じく人気の高いインド南部のタミル語よりもメリットがある。

インドでは英語が絶対的な権威を得ているが、現在のインドを見ているとヒンディー語の権威はこれから時間をかけて少しずつ上がっていくと予想される。インドでは宗主国がもたらした英語ではなくインド固有の言語をもっと使おうという動きもモディ首相になってから強くなっている。とはいっても、南部のドラヴィダ人が話す言語との衝突もあるので、なかなかヒンディー語がインドの代表言語!とまとまるにはもう少し時間がかかるだろう。

「インド人が白人のような顔をしている理由と、南北における言語対立」

それはさておき他の旧植民地と違いヒンディー語という言語の人口の多さ、インドという巨大な国が今後政治的にも国際的に与える影響が強くなることを考えると、今まで軽視されていたヒンディー語の地位は上がっていくと予想されるし、今よりもヒンディー語の有用性は上がっていくのではないだろうか?

とは言ってもインドでは英語でビジネスができてしまうため、ビジネス的なメリットは少ないにしても、ヒンディー語の理解は上記にあげたように他の言語の強い理解、そしてヒンディー語、ベンガル語、ウルドゥー語を合計すると10億人近くなることを考えれば、数字という意味ではかなり強い言語ではある。

ちなみにサンスクリット語由来の単語が多いため、東南アジア最大の言語であるインドネシア語が後で楽になる。というメリットもある。またタイ語、インドネシア語、その他の東南アジアで話されている言語には、サンスクリット語の語彙を多く取り入れているので、さらに広がる。

「2050年には1億人増も、ヒンディー語がインドで軽視されている理由」

私はこれらの言語をすべて勉強しているので、その恩恵をいつも感じながら楽しんでいるところだ。

 

提案4(インドネシア語)=3億人

インドネシア語は人口の面ではかなり優位だが、一つの国に一つの政治なので政策次第では転落してしまう可能性もある。こういう意味で言えば少し中国語に似ているかもしれないが、中国語よりも範囲が狭い言語と思っていい。

とはいっても日本人の中には欧米にあまり興味がなく、東アジア・東南アジアくらいで活動したい。という層も存在する。まさにそういう人たちには英語・中国語・韓国語・インドネシア語のマルチリンガルになるのをお勧めする。

以下にも書いたが、インドネシア語の理解は太平洋諸島の言語の理解へとつながっていて、マダガスカル語、ハワイ語までもがこのインドネシア語と遠い親戚なのである。

「世界最大の海洋言語、オーストロネシア語族の言語 TOP20」

メリットなど考えず、島生活を夢見ながら楽しんでやることがポイント!

 

提案5(フランス語)=3億人

フランス語はもともと北半球の言語だが、実は隠れグローバルサウス言語。ヨーロッパとカナダのフランス語圏以外は発展途上国で話されている言葉である。=ネイティブ話者のみでカウントすると1億人だけれども、フランス語を公用語とする国も合わせると3億人になる言語。

特にアフリカにおけるフランス語人口の増加が顕著であり、特に西アフリカや、コンゴなど。コンゴなどは世界一フランス語話者が多い国になり、今後フランス語というイメージはフランスだけの言語というよりも、アフリカの言語というイメージに変わっていく。

アフリカ諸国の出生率の高さにより、2050年には8億人になると予想されており、スペイン語人口と同じくらいになると言われているのはあまり知られていない。

スペイン語が南米の言語というイメージになったように、数十年後はフランス語=アフリカの言語というようになってくると思われる。フランスの旧植民地のエリートはフランス語を捨てたがらないという部分もあるので、今後アフリカが経済的に注目されていく中で、私的にはスペイン語よりも有用性が高いのでは?と思っている。→インドや中国などがどんどんアフリカに進出しているため。

まさに中国人が今フランス語やアラビア語を勉強しているのを見て、彼らはずっと先を見越しているなと思っているところである。

いずれにしても英語以外では、5つの大陸で使われている英語につぐ国際言語でありながら、グローバルサウスの多くで使われている言語だということは覚えておく駅だろう。

 

提案6(ペルシア語)=1億人

ペルシア語といえばどうしてもイランをイメージするかもしれないが、ペルシア語=イランのファールシー語、アフガニスタンのダリー語、タジキスタンのタジク語である。これらの国々は問題もあるが発展の余地があるエリアであり、私はイランのペルシア語から始め、現在はタジク語に没頭している。

どちらも90%くらいは同じで、どちらかを話せるようになればどちらかは読んですぐに理解できるレベルに達することができる。

発音というか、話し方、態度など、日本と通じる部分も多く、私は現在タジク語の学習に没頭中。ペルシアの世界は、欧米人にも憧れる人が多いくらい歴史的、文化的にも豊かであり、ペルシア語を学ぶ人とフランス語を学ぶ人はそういう意味では似ているとも言われている。

「ペルシア語を勉強するメリット、需要、重要性」

ペルシア語の話者人口の計算は少し難しい。イランにもトルコ系などが多く住んでいるため人口=話者数とはならないからである。アフガニスタンも他民族国家でありカウントが難しい。とはいっても、イラン、アフガニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン南部を合わせておよそ1億人はいると考えるのが良いと思う。

 

提案7(トルコ語)=1億人

トルコ語はあまり注目されない言語ではないだろうか?けれども私の見方は違う。トルコ語はもっと評価されてもいいと思うのである。その理由はトルコとアゼルバイジャン語は90%ほど同じであり、そんなアゼルバイジャン人はイランの人口の15%にも達する。つまりトルコとアゼルバイジャン+イランのアゼルバイジャン人を合わせると1億人ほど。

「イランに住む民族 TOP8(ホラサンに住む、日本人似の民族も含む)」

しかも、ロシアとウクライナが戦争を始めたことがきっかけで、ロシアが国境を引いた中央アジアの独立国(タジキスタン以外はトルコ語と同じチュルク語の言語を話す国々)が、ロシアから少し距離を置き、トルコに近づいているのである。

中央アジアのニュースを読んでいると、近い将来、トルコとアゼルバイジャン、中央アジアの国々(タジキスタン、トルクメニスタン以外)=テュルク評議会がNATOのような連合になる可能性もある。

そしておそらくこの連合は中国の新疆ウイグル自治区の同胞に対しても中国にものをいう連合になり、パワーバランスが変わるかもしれない。と私は期待している。つまり、今後ロシアの影響力が弱まった時、一番喜ぶのはトルコ。というくらい、トルコはものすごいポテンシャルを持っている国だと私は見ている。

以下はトルコ語と同じ言語系統の言語(その多くがロシア連邦に組み込まれた、ロシアの共和国で話されている言語である)

「世界最大級?チュルク語族の言語 TOP20(トルコ語、タタール語、カザフ語、サハ語など)」

 

最後に

今後、どういう世の中になっていくかは不明だが、確実に言えるのは日本から出て新しい世界に飛び込んでみることの重要性が今よりも高まってくるということ。その準備を今のうちしてみるのも悪くないかもしれない。

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