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男にとっては天国。中国「モソ族」に今も残る「母系制」の村が抱える現実

2020年1月19日

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男にとっては天国。中国「モソ族」に今も残る「母系制」の村が抱える現実

2020年1月19日




最近日本でも所得の多い女性+貧困男性カップルが増えてきたと言われているが、日本のみならず世界的に見ても、このような組み合わせのカップルは続かない傾向にあるという。なぜなら、男性優位社会では、女性が生きていくために自分よりも収入の多い人を選ぶ傾向があるからだ。

そもそも男女平等は重要だけれども、男性も女性も肉体的・生理的に役割が違うので、例外もあるので、男性優位社会であるのは仕方がないと思っている人は多いだろう。

さて、女性が男性を見るとき、子供の頃は外見に憧れていても、いざ結婚となると、やはり相手の男性のお金の面や社会的信用を考えて選ばなければならない。という現実もある。それは女性の収入によって変わるともいわれている。収入の高い女性ほど、収入のもっと高い男性や、肉体的な健康さも求めるのだとか。

これはキリスト教がベースとなっているヨーロッパやアメリカでも同じであり、女性の社会進出が目立つ北欧やドイツでさえもお、男性と女性にはれっきとした収入の差があることからもわかる。

という事からも分かるように、基本的に世界は男性中心の社会ということは誰もが分かることだろう。

この記事では、そんな男性中心の地球上でも、女性が最終決定権を持つような「母系制」について語っていきたいと思う。

その中でも中国雲南省のモソ族に焦点を当ててみたい。(上の画像はモソ族のカップル)

「母系制」を知ることで新たな世界を知っていただきたいし、中国の広さについても感じていただきたい。

 

①「母系制」と、そのエリア

まず、母系制(家母長制)とは、簡単に言うと以下の意味である。

母方の血筋をたどる(母系出自)

母方の財産を相続する(母系相続)

結婚後も夫婦は別居、もしくは妻方(母方)の共同体に居住する(母方居住制)

日本では、色々定義はあるが、父系制(家父長制)な場合が多い。例えば、名字はお父さんの名字を子供は受け継ぐし、天皇は男性でなければならないという決まりみたいなのもある。

つまり簡単に言うと、その家族の中で女性が責任者であり、最終決定権を持つというような感覚。

このような社会は、アフリカの部族(アカン族が有名)でもまだ続いており、アメリカ大陸のインディアンインドネシア・ミナンカバウ族の間でも続いているという。

※アフリカの部分は以前もブログで書いた。

「アフリカ・中東・インド(南アジア)の奇習、迷信、不思議な民族 TOP10」

とはいっても、世界には、母系制(以下、参考程度)を守り抜いている共同体がいくつか存在する。

そして、以前「中国でタブーとされている奇習、黒歴史 TOP10」という記事でも紹介したのだけど、中国南部の雲南省瀘沽湖(ルーグー湖)付近には「母系制」を残している村があり、日本のテレビのみならず、海外のユーチューバーが直接訪れるくらい世界中で知名度が高い。

 

②ルーグー湖とはどこにあるのか

ルーグー湖とは、中国雲南省にあるが、ここは地理的には東南アジア北部と考えたほうがいいと私は思っている。

ミャンマー北部にはいくつもの民族がいて、少数民族の何割かも雲南省に集まっていることから、自治州が多い。

「ここは、中国じゃない?中華人民共和国に存在する異国(自治州) TOP30」

日本人が考える漢民族中心の沿岸部とは違い、違う中国が雲南省にはたくさんある。例えば、タイ語と中国語を併記しているような自治州もあったりね。

これは、北朝鮮北部にある中国の延吉で、

「韓国でも北朝鮮でもない?ロシア国境にある、中国の【延吉】には、なぜハングルばかり?」

驚いたことに、国際批判されている新疆ウイグル自治区でも、空港や銀行に行けば、きちんと中国語とウイグル語が併記されており、ウイグル人警官は普通にウイグル語を喋っている。(2019年夏に確認済)

さて、ルーグー湖とはまさに、そういう少数民族がたくさんいるエリアにある湖だと覚えておけばいいだろう。

この湖の近くに、モソ族(摩梭族)が住んでいるわけだ。

ちなみに、ネパール→雲南省→江南(現在の上海あたり)→日本には共通する種類の木があると言われており、日本人の一部の先祖はこの雲南省付近から来たともいわれている。

ちなみに漢民族の家屋はレンガ、けれども、雲南省などは木造家屋が多く、日本と通づるところがある。

またチベット人のDNAと日本人のDNAの一致もそれかもね。

「日本人は黒人?日本人と同じ【ハプログループ D】を持つ、チベット人と、アンダマン諸島のオンガン人(ジャラワ族、オンゲ族)」

 

③殺すのは男の役割

このルーグー湖付近に住むモソ族(摩梭族)は残念ながら、中国の少数民族には数えられていなく、近隣のナシ族の一部として取り扱われている。人口が少ないからだろうか。

モソ族の間では、男性に相続権がない。家庭を支えるのに仕事をするのも女性、子供の面倒をみるのも女性で、美化された漢字ではあるが、女性が偉く、強くたくましいということになっている。

またモソ族の女性はそれを誇りに思っている。

しかも面白いのが、女性は結婚後も、他の男性と体の関係を持ってもいいという点である。このような部分が漢民族の間では、ふしだらな女のイメージを作り、誤解されている時期もあった。

ちなみに争いがあったとき、つまりもし戦争みたいなことが起こったときは、敵を殺すのは、女性ではなく、男性の役目なのだとか。

この意味では、やはり男性には肉体的に女性よりも優位性があるので、戦うという意味ではどんな社会でも変わらないのだろうと思った。

 

④中国で広がる偏見と、保護

上にも書いたが、中国(漢民族の間)ではモソの走婚(妻問い婚)は性的に乱れていると誤解されてきたという歴史がある。日本でも一般の人たちがアイヌ民族に対してほとんど知識がないように、中国でも沿岸を中心とした漢民族にとってはやはり正しい情報が伝わっていないのだろうね。

それでも現在は多くの観光客がこの地にやってくる結果ともなっている。やはりそういう、なんで?みたいなものが人を惹きつけるのだろう。

最近、瀘沽湖(ルーグー湖)付近では、ホテル・道路・空港が建設されており、この文化は少しずつ消えていくかもしれないという危惧もあるという。

京都に観光客が押し寄せている現実を知っている日本人は、この小さな村に多くの観光客が押し寄せ、文化が薄れていく感覚が分かるかもしれないね。

そんな中、中国政府は、この「中国最後の「母系社会」の発祥地・瀘沽湖の保護」などという記事が北京週報から出ていることからも分かるように、この「母系制」というキーワードを売りに中国の多様性をアピールしたいのかもしれない。

ちなみに、私が見たドキュメンタリーで、モソ族の高齢の女性が発していた言葉が印象的だった。それは、「共産党のお陰で生活が変わった」という一言が印象的だった。

日本では中国共産党と聞くと良くないイメージがあるが、実際に中国でも恩恵を受けている国民はたくさんいるということが分かる。

このような民族がしっかり保護されていくことを私も願っているけれども、モソ族の若者の間では、都会に出たいものが多く、漢民族と結婚し、村を出てもう帰ってこないものも多いのだとか。

当然、この流れが続けば、中国には少数民族の割合がもっと減り、漢民族に完全に同化されていくだろうね…。。

 

⑤男性にとっては理想的な社会と言われる理由

男性は仕事をしなくてもいい。これは仕事よりも家で家事をしていたいような主夫志向の人にはいいのではないだろうか。

ちなみに、モソの母親には、「祖母屋」という家屋が別に用意されていることが多いらしく、その玄関は一般的な家よりも入り口の高さが低く、敷居が高くなっており、頭を下げないと入れないようになっている。つまりそうすることで母へ敬意を表すのだとか。

なので、男性は女性に対して尊敬を持って接しなければならない。けれども仕事をしなくていい生活が待っている。

まるで母に養ってもらうかのように…。

と、もちろん良いことばかりではないだろうが、主夫志向のある男性は是非、雲南省に行ってみたらどうだろう。私のFacebook友達で雲南省の女子と結婚して起業している日本人男性がいるが、雲南省は少数民族が多く、中国と言うよりは東南アジア北部と言われることもあり、非常に神秘的な場所なので、お勧め。

普段日本人がイメージしている中国がいかに広いのか、また中国語がいかに人生を楽しむうえで有用であるのかが分かっていただけたらと思う。(';')

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