アラビア語(セム系言語)

アラビア語を勉強するメリット、需要、重要性

2015年11月20日

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アラビア語を勉強するメリット、需要、重要性

2015年11月20日




多言語話者として現在海外の拠点から英語と複数言語を教えさせていただいているMULTILINGIRLです。

twitterなどに動画(日本語以外の6言語を話している)も載せていますので気軽に絡んでください('ω')ノtwitter→@_multilingirl_

さて、私がアラビア語を学んでいると言うと、特に女性が興味津々に私の話を聞いてくる。

それも瞳孔が開くように、なぜアラビア語を学んでいるのか聞いてくる人を何人も見てきた。これは日本人だけじゃない。英語で外国人と交流しているときに、アラビア語を勉強しているというだけで、ものすごく興味津々に質問してくる。

それくらいアラビア語という言語にはインパクトがあり、フランス語とか韓国語を学んでいるという、普通の人たちがやっていることとは違う特別な視線が向けられる。

アラビア語を学び始めて5年が経つ今、今一度、アラビア語を勉強するメリットなどについて考え直してみた。

※応募者が多めなので、全ての方が応募できるとは限りませんが、以下、アラビア語のレッスンもやっています。

「1名限定。アラビア語3ヶ月(2.5万円)で「頻出200~300フレーズ」完全暗記サポート【無制限保証付き】」

①アラビア語学習者が少ない理由

おそらく、あまりアラビア語のことを意識したことがない人でも、アラビア語は右から書く言語だとか、クニャクニャの文字ですごく難関言語だという風な認識はあるのだと思う。

ましてや中東情勢のイメージから、テロリストが話す怖い言語というレッテルを貼られているような部分もないわけではない。

ヨーロッパという華やかなイメージとは違い、アラビア語圏は混とんとしたイメージがあり、日本人は惹かれない傾向があるかもしれない。

けど、もっと考えてみると、アラビア語を勉強しない理由は以下のように思われる。

①アラビア語学習の良書が豊富ではない
②日本人自体、中東や北アフリカに関心を示さない
➂文字をみると難関言語に見える(先入観)
④何のために学ぶのか動機が見えてこない言語
⑤求人数を見ても少ない

などもあり、世界の主要言語の中では日本人が一番勉強していない言語であると思われる。ちなみに、ロシア語・ポルトガル語・アラビア語の順で学ばれないないのではないだろうか。(あくまでも主要言語内では)

「多言語を勉強してわかった日本人が「ロシア語」/「アラビア語」/「ポルトガル語」を避ける理由」

 

②中東・北アフリカにおける変化と、求人



(アラブの国、特に湾岸諸国はイスラエルよりも豊かになった。写真はカタールのドーハ)

サウジアラビアの経済改革計画「ビジョン2030」、ドバイを抱えるアラブ首長国連邦などの湾岸諸国における近代化、モロッコなどの製造業の強化、エジプトカイロの東部に新首都建設など、日本に情報が入ってこないだけで、現在アラビア語圏は進化の真っただ中。

これらの国々で働く、移住するにはそれほど強いアラビア語の知識は必要はないが、少しだけでも知っているだけで、特別扱いされるのは間違いない。

例えばドバイでは完全に英語が上手なものが職を得られる傾向にあるが、少しでもイスラムの知識、アラビア語への好奇心があると、周りは好意を持って助けてくれるだろう。

近年、ドバイで働く日本人も増えてきたけれども、日本人もこのように働き場所はいくらでもあると感じる。

「日本人は優遇?英語のできない日本人がドバイで仕事を見つける方法」

また日本国内で言えば、予備自衛官補(自衛隊東京地方協力本部)になる資格として、アラビア語検定3級など、アラビア語の資格があることが有利とされている。

https://www.mod.go.jp/gsdf/reserve/yobijiho/oubo.html




 

③ブランディング化するには、最適な言語

英語と中国は目的はある程度資格などで示せる場合、日本ではそれを優遇する企業も結構多い。けれどもアラビア語は違う。

この二つの言語は、日本では突出して学習者も多いというのは以前も説明した。


「受験者数を比較。英語、フランス語、中国語、韓国語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、アラビア語」

とはいっても英語と中国語を学ぶ人の多くが、趣味というよりは何かしらの出世のために勉強している人が多く、やりたくないけどやっている場合も多い。

またこれらの人材は日本には溢れていて、中国語を学んでいるからといっても普通のことと思われてしまう。特に中国語はIT関連で日本と中国が連携している場合が多くなってきているので、少しだけ中国語が分かると言うだけで、日本全体でやはり仕事は得やすい社会になってきている。

※IT企業は景気減速に連動しないのでいいよね…

「中国語(北京語)を勉強するメリット、需要、重要性」

けれどもアラビア語の良いところは、とことん極めれば現地で様々なチャンスがあるだけでなく、アラビア語を話す数少ない日本人として、自分を特別宣伝しなくても特定の人たちに覚えてもらえる点ではないだろうか。

また私はアラビア語でユーチューブ動画を軽く作ってみたことがあるが、アラビア語圏からのコメントがかなり来ていて驚いた。

彼らは日本人がアラビア語で新しいコンテンツを作ることを望んでるのだろうけど誰もそれをしない。

連絡を取らせてもらったこともあるドバイで活躍している金子さんなどは、instagram などで人気であり、こういう人たちが今後、本格的にユーチューブなどを始める可能性もある。

「アラビア語ペラペラ!中東のサウジ、ドバイ(アラブ首長国連邦)で有名な日本人「金子家暢」「鷹鳥屋明」「Reo Ishikawa」の生き方がイケメンすぎる件」

彼らのコンテンツを見ていても思うけれども、非常にユニークに映り、かつかっこよく見える。これが日本人がアラビア語を操れるという最大のメリットのようにも思える。

つまりある特定の分野でプロになり、かつアラビア語もできるとなると、特異な目で見られるのではないか。これは外見の美しさでは得られないような、そういう希少性であると私は考える。

 

④アラビア語の話者人口と、世界に与える影響

アラビア語は世界27ヵ国でおよそ約2億5000万人に使用されている国連の公用語。(日本語は国連の公用語ではない)

もともとアラビア語は国連の公用語ではなかったが、三大宗教イスラム教徒の言語であること、中東に石油などの資源があるため国際的な発言力が強い国々が集まっていることもあり、アラビア語話者人口も多いため、国連の公用語に後から追加された。

現在、国連の公用語は、アラビア語・中国語・英語・フランス語・ロシア語・スペイン語である。

アラビア語は、以下の国々で使用されているが、後でも説明するように、その国の人口=全員がアラビア語話者というわけではない。

■アジア
アラブ首長国連邦 - イエメン共和国 - イスラエル国 - イラク共和国 - オマーン国 - カタール国 - クウェート国 - サウジアラビア王国 - シリア・アラブ共和国 - バーレーン王国 - パレスチナ自治区 - ヨルダン・ハシミテ王国 - レバノン共和国

■アフリカ
アルジェリア民主人民共和国 - エジプト・アラブ共和国 - エリトリア国 - ガンビア・イスラム共和国 - コモロ連合 - ジブチ共和国 - スーダン共和国 - ソマリア - チャド共和国 - チュニジア共和国 - モーリタニア・イスラム共和国 - モロッコ王国 - リビア共和国

このように、アラビア語が公用語の国はたくさんあるけれども、公用語=国民全体が話せるわけではない。アラビア語が公用語の国々にはフランス語や英語が同時に公用語になっている国も少なくないので、アラビア語使用率が高い順にまとめたランキングを以下に書いていこう。

 

■アラビア語が話されている国 TOP20

順位国名話者数(万人)
1エジプト8244
2アルジェリア4010
3スーダン2816
4サウジアラビア2717
5モロッコ2500
6イラク2290
7シリア1795
8イエメン1467
9チュニジア1080
10ヨルダン508
11リビア452
12レバノン418
13ソマリア378
14アラブ首長国連邦360
15モーリタニア314
16オマーン251
17イスラエル203
18クウェート173
19パレスチナ161
20チャド132

それぞれ方言があるものの、アラビア語の話者数が多い国はこのようになる。ダントツでアラブ世界の中心地エジプトがナンバーワン。

またビザなし3ヶ月で滞在可能なモロッコや、フスハーに近い方言とされているヨルダンなども留学先としては人気だ。

アラブ首長国連邦は人口の半分以上がインド人なのでアラビア語話者数は少なくなる。

「アラビア語が安く学べる国(アラビア語圏以外の国を含む留学先) TOP7」

 

⑤アラビア語が世界中に与える影響

現在の世界はキリスト教人口が優勢であるのに対して、2050年頃を境目にキリスト教徒とイスラム教徒の世界の人口に占める割合が逆転すると予想されている。

特に今後現在の東南アジアのように消費する人が増えていくとされているアフリカ、南アジアにおいてイスラム教徒の人口が増えていくので商機として十分に期待できる言語である。

観光業においても、日本に今後アラビア語圏から訪れる人が多くなる余地は十分ある。なんといっても、イスラム教徒の人口増に伴って世界のパワーバランスが今とは少し違ったものになっているだろう。

またアラビア語圏ではなくても、以下はすべてアラビア文字で書かれている。

ウルドゥー語(パキスタン)
ペルシャ語(イラン周辺)
スワヒリ語(ケニアを中心に東アフリカを支配している言語)
ウイグル語(弾圧下でも空港はウイグル語と中国語併記)

ちなみに、アフリカにおける地位(フランス語と比べた場合)について語ると、アフリカの出生率の高さによってフランス語話者もかなり増えているのだけれども、アフリカ、特に北アフリカではほとんどがイスラム教徒なので、神の言語という地位を得ているアラビア語の地位は今後も揺るがないと思う。
フランス語はあくまでもヨーロッパから派生した言語で、この言語を好む洗練さを好むアフリカ人もいるが、フランス語よりもアラビア語が話せたほうが特に北アフリカ人は喜ぶだろう。

というのもアラビア語を学ぶ=彼らの文化を理解することに繋がるからである。アラビア語を学ばなくとも、アラビア文字だけだと2週間ほどで覚えられるので、以下の良書に従って読んでみるのも一かもしれない。

(画像をクリックすると、レビューが見れます。)

こちらの教材は私がアマゾンのレビューを片っ端から調べてみつけた、アラビア語のネイティブが書いたアラビア文字を学ぶことに特化した格安の良書だ
また、注目する点は、インドには3億人ほどのイスラム教徒がいて彼らにアラビア語で話しかけると喜ばれる点だ。インドの経済発展が続き、インド内のイスラム教徒の影響力が高まるにつれ、将来のインドは、イスラム色が少し強くなっている可能性もある。
最後に、以下の言語はアラビア語語彙を多く取り入れている言語である。

・スペイン語(高級語彙の4000語ほどがアラビア語)
・ペルシア語(アラビア語から多くの語彙を取り入れている)
・トルコ語(アラビア語から多くの語彙を取り入れている)
・インドネシア語(アラビア語から多くの語彙を取り入れている)
・ヒンディー語(アラビア語から多くの語彙を取り入れている)

「スペイン語の4000語はアラビア語という驚愕の事実」

そういう事実も知った上え勉強するのとしないのとではかなり違ってくるからね('ω')ノ




⑥英語に影響を与えた語彙(キャンディ、ソファ、マスカラ)

アラビア語は世界の主要言語内でももっとも古い言語で、ラテン語がそのまま生きているようなイメージに近い。なので英語や日本語はアラビア語からの影響もかなり受けている。

以下がアラビア語から取り入れている外来語。

アドビ、アルバ、ケミストリー(化学)、アルコール、アルカリ、アプリコット、アベラージ(平均)、キャンディ、チェック、コーヒー・カフェ・シュガー・シロップ・シャーベット、コットン、コルク、ガーゼ、ジャー、ジャスミン、ジャンパー、ガービッジ(ゴミ)、ギター、ハザード、マガジン、マット、メッカ、タイフーン、モンスーン、マスク、マスカラ、マッサージ、オレンジ・レモン・ライム、サファリ、ソファ、スピニッチ(ほうれん草)、スワヒリ、ラケット、スカーレット、ソーダ、ソディウム、タリフ(関税)、ツナ、ゼロ、タバコ、トラフィック

など。

List of English words of Arabic origin

台風などもギリシャ語→アラビア語という風に経ているのが面白い。

上記にあげた単語はほんの一例だけれども、ヨーロッパよりもアラブ諸国が栄えていた時代もあり、アラビア語は西洋の言葉にも影響を与えている。

この影響について知るには、スペイン人がなぜドイツ人のような白人と顔立ちが違うか。を勉強するといいかもしれない。


「白人とアラブ人(ベルベル人)のハーフなのですか?に怒りの声も。スペイン人が認めたがらない理由【海外の反応】」

 

⑥ブリテッシュ・カウンシルはすでに予想している

濃い緑の箇所はアラビア文字を使う国々。薄緑はアラビア文字が部分的に使われている国。中国も新疆ウイグル自治区では、中国語とウイグル語の併記がされている。

さて、イギリスのブリティッシュ・カウンシルが将来のイギリスに必要な外国語ランキングを発表した。歴史上影響を与え続けてきたイギリスが発表するこのランキングはとても興味深い。

イギリスはロンドンという世界の金融センターをうまく活用して、富を世界から吸収してきたし、ロシアの大富豪やアラブの大富豪でさえ、ロンドンに不動産を欲しがる。そのためロンドンという街は大富豪にとって世界でも有数の目的地となっている。

そのイギリスがアラビア語はイギリスにとって2番目に重要な言語になると言っているのだ…。( *´艸`)

「イギリスで将来、重要になる外国語 TOP10(ブリティッシュ・カウンシル発表)」

なぜ、アラビア語?これはイギリスでとても疑問視されていた。

私が直感で思うに、イギリス政府は今後の世界の動きを既に予想しているのかもしれない。そういう情報をどの国よりも早くキャッチするのはイギリスの得意としているところだ。

中東や北アフリカは中国やロシアの影響が強くなっており、今後変わっていくと予想されるし、米軍が撤退していく方向に進めば、このエリアは今とは違うものに姿を変えていくかもしれない。

上記に書いたように、イスラム教人口がキリスト教人口を上回る点、そして世界で最大のイスラム教徒を抱えることになるインドやそれに次ぐインドネシアなどが経済発展している点などを考えていくと、将来のアラビア語需要はかなり高いはず。

という部分からみてもブリティッシュ・カウンシルはイギリス国民にもっとアラビア語を学んでビジネスをしてほしいのかもしれない。( *´艸`)

世界が多極化している証拠だね…。

「小池百合子先生の英語とアラビア語の実力を検証」

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